米国の技術人材雇用機会、シリコン・バレーから東海岸に移行 ~ ワシントンDCやニューヨーク市、非技術業界で需要増

技術大手や新興企業らによる大規模の人員削減が続くなか、非技術会社らが技術人材の採用を増やしている。そのため、最近では、シリコン・バレーではなくワシントンDCやニューヨークが、ソフトウェア開発者やプログラマーにとって仕事がもっとも見つかりやすい市場になっている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、人材&職場情報会社ヴァーティスAI(Vertis AI、カリフォルニア州拠点)の求人情報分析では、2022年末時点のソフトウェア工学の求人数は、サンフランシスコ都市部で2369人、シリコン・バレーを含むサンノゼ周辺で2084人だったのに対し、ワシントンDC地域では約3815人、ニューヨーク都市圏では3325人に上った。

サンフランシスコとサンノゼの関連求人情報は2022年前半にピークを迎え、それ以降は大幅に減少している。

技術系人材斡旋サービス会社らは現在、銀行や通信サービス、小売といった非技術業界での就職を検討するようそれらの人材に進言している。

ヴァーティスAIの共同設立者サム・ホッキング社長によると、ワシントンDCでのソフトウェア工学者の求人は、ほかのどの都市圏よりも多い。東海岸で需要が高い主因としては、金融機関らが技術者採用を積極化させていることや、大企業らがワシントンDCで事業を拡大していることが挙げられる。

就職情報サイト運営会社ハンドシェイク(Handshake)のデータでも、2022年には政府や建設、金融といった非技術業界でのソフトウェア工学者およびコンピューター工学者の求人が前年より増えた。

解雇された技術者らに就職機会情報を提供するアンディアモ(Andiamo)が実施した調査では、サンフランシスコからニューヨークに移る技術者数は、ニューヨークから他地域に移る技術者の2倍だった。

モーション・リクルートメント・パートナース(Motion Recruitment Partners)によると、ソフトウェア技術者の給与はサンフランシスコとサンノゼがもっとも高いが、ロサンゼルスとニューヨークも比較的高い。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る