オープン・ソース人工知能新興企業のスタビリティーAI(Stability AI)のアマード・モースタックCEOは、人工知能が巨大な事業機会や投資機会をもたらすと同時に史上最大のバブルになるという見方を示した。
CNBCによると、モースタック氏は先週、UBSの市場分析家たちとの電話会議において、人工知能について、「まだ初期段階にあり、銀行やそのほか主要巨大業界で大々的に採用される準備ができていない」が、さまざまの業界の多くの会社で導入が加速し始めれば「史上最大のバブルになるだろう」と話した。
同氏はそれを「ドット・エイアイ(dot AI)」バブルと呼んでいる。1999年あたりから2000年代初頭のドット・コム・バブルにちなんだ命名とみられる。
スタビリティーAIは、ステイブル・ディフュージョン(Stable Diffusion)を開発した会社として知られる。ステイブル・ディフュージョンは、オープンAIのチャットGPTを除けば、もっとも人気のある生成人工知能ツール群の一つだ。
ステイブル・ディフュージョンは、利用者がテキストを入力することで、写真のようなきわめて写実的な画像を生成できる。すでに100万人以上の利用者を持っており、ベンチャー・キャピタル大手たちから総額1億ドルの投資も集めた。
人工知能は、浸透し始めて何年もたち、一般利用者だけでなく医療や輸送、ロボティクス、科学、教育、金融、防衛、そのほかさまざまの業界で常用されている。そこに、生成人工知能が加わり、一部の会社や業界ではその採用に慎重ながらも、利用者数を急増させている。
チャットGPTを筆頭に、この数ヵ月のあいだにグーグルのバードやマイクロソフト・ビング・チャット、ダーリー、ミッドジャーニーといった各種の生成人工知能ツールが世界中で使われるようになった。
モースタック氏は、人工知能および生成人工知能の開発や事業展開に必要な投資総額は1兆ドルになる可能性が高いとみている。「知識の基幹設備として5Gよりも重要」であり、「巨大な市場」であるため、投資意欲が先走る可能性がある、と同氏は指摘する。
しかし、生成人工知能は、金融サービスのような大規模の産業界で大規模に展開するには「まだ準備が整っていない」と同氏は話した。
同氏はまた、人工知能をビジネスに適切に活用しない会社らは競争に破れ、株式市場から「罰」を受けるだろうとも述べた。
同氏はさらに、事業や市場規模としての生成人工知能への期待は、ソフトウェアやサービス、人工知能チップ、基幹設備といった複数の分野に波及する、と話した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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