従業員らによるチャットGPT使用率は28% ~ 社外の生成人工知能ツールの利用を認める会社は22%

世界中の多くの会社の従業員たちのあいだでチャットGPTの利用が拡散するなか、それを阻止しようとする会社も多い。ロイター通信と調査会社イプソスが共同で実施した最近の調査によると、米労働者の多くが基本的な作業にチャットGPTを使っている一方で、大企業の一部はその社内利用を制限または禁止している。

▽利用禁止は約10%

チャットGPTをどのように使うのが賢明かは、いまや世界中の会社が答えを求める課題となっている。知的財産権の侵害や企業秘密の漏えいに関して現実的な懸念がともなうことはすでに指摘されてきた。

7月11日から17日にかけてロイターとイプソス(Ipsos)が実施したオンライン調査(米国内の2625人が回答)では、チャットGPTを仕事で日常的に使っていると答えた割り合いは28%前後に上った。かたや、社外の生成人工知能ツールの利用が職場で認められていると答えた割り合いは22%だった。

また、社外の生成人工知能ツールの利用が禁じられていると回答した割り合いは10%前後で、25%は会社が許可しているかどうかを知らなかった。

▽オクタの幹部は警鐘を鳴らす

チャットGPTは、2022年11月に市場投入されて以来、もっとも急速に普及したアプリケーションとなった。その一方で、その開発元であるオープンAIは、規制当局やプライバシー擁護団体から厳しい目を向けられ、訴訟にも直面している。

「生成人工知能サービスの利用者は、その利用に際してデータがどのように使われているかを理解していない。それは会社にとって重大な問題だ」とセキュリティー技術を提供するオクタ(Okta)のベン・キング副社長は話す。

「無料のサービスであり、契約も存在しないため、通常の評価過程を経てリスクを管理することができない」とキング氏は指摘する。

▽オープンAI、利用データ収集についてあいまいに

オープンAIは、各社の従業員らが個人の判断でチャットGPTを使う結果として何が起こるかを明確にしていない。取り引き相手の会社に向けた最近の公式ブログ投稿では、明示的に許可しないかぎりデータをチャットボットの学習目的に使用することはないと同社は説明した。

グーグルがチャットGPTに対抗するために開発したバード(BARD)では、利用者が使う際に入力するテキストや所在地、そのほかの情報を収集している。

グーグルはそれと同時に、利用者自身が使用履歴を削除できる機能を提供している。また、人工知能の学習に使われたコンテントを削除するよう求める選択肢も提供している。

▽些細なことにひそかに使う従業員たち

デーティング・アプリケーションを提供するティンダー(Tinder)のある従業員は、職場が公式に認めているわけではないがチャットGPTを使ったことを認めている。

「たわいない日常的なメールの作文に使ったことがある」「部署の催事のために、笑える招待状を書いたり、辞めていく従業員に歓送メッセージを書いたりした」「ほかには、全般的なリサーチにも使っている」とその従業員は話した。

その従業員によると、ティンダーは社外生成人工知能ツール「使用禁止」の規則を設けているが、それでも従業員たちは「自身の勤務先に関することについて明らかにしない方法で使っている」という。

▽サムスンとP&Gは全面禁止

サムスン電子は5月に、従業員が企業秘密のコードをチャットGPTにアップロードしたことがわかったことを受けて、従業員によるチャットGPT使用を全世界で禁止した。

また、アルファベットは6月に、バードを世界的に市場投入するのと同時期に、バードも含め生成人工知能チャットボットの使い方について慎重を期すよう従業員らにうながしたと伝えられている。

職場のコンピューターから従業員がチャットGPTにアクセスできないように完全に遮断している会社もある。プロクター&ギャンブル(P&G)の従業員は、「オフィスのネットワークからは生成人工知能ツールにまったくアクセスできない」と語っている。

▽コカ・コーラやテイト&ライルは容認

一方、セキュリティー懸念を念頭に置きながらもその種のツールの活用を認めている会社もある。

コカ・コーラの広報担当者は、「チャットGPTの社内版を最近導入して、生産性向上に役立てている」と説明している。また、食品会社のテイト&ライル(Tate & Lyle)のドーン・アレン最高財務責任者は、「投資家向けの情報に使うべきか、知識管理に使うべきか、業務効率化のために使うべきか、さまざまの部署がさまざまの用法について実験し、使い方を決めている」と説明した。

サイバーセキュリティー会社のノミネット(Nominet)のポール・ルイス最高情報セキュリティー責任者は、「全面的な禁止にはいたっていないが、警戒する必要はある」と考えている。悪質なプロンプトによって繊細な情報をチャットボットに開示させる方法もある、と同氏は指摘した。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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