全米小売業連盟(NRF)の調査報告によると、2023年の感謝祭当日からサイバー・マンデイまでの5日間に実在店舗を訪れた人とウェブサイトで検索した人の延べ人口が過去最高の2億400万人に達したことから、ことしの年末商戦の滑り出しは非常に活況しているといえる。
▽オンライン購入者数は増加、店舗での購入者数は微減
CNBCによると、2.4億人という数字は、NRF(National Retail Federation)とプロスパー・インサイツ&アナリティクスが2017年に実店舗来店者数とオンライン総トラフィックを追跡し始めて以来の最高記録だ。その数字は、2022年の1億9670万人を上回ったと同時に、ことしの同5日間の買い物客についてNRFが予想した約1億8200万人をも上回った。
NRFの調べによると、同5日間にオンライン買い物した人数は、前年の1億3020万人から1億3420万人に増えた。 かたや、店舗で買い物した人数は2022年の1億2270万人から1億2140万人に微減した。
▽一人あたりの支出額、前年とほぼ同じ321.41ドル
NRFは、支出総額を推計していないが、同5日間における消費者一人あたりの買い物額については平均321.41ドルという見積もりを示した。昨年の325.44ドルとほぼ同じだ。 それらの数字はインフレ調整されていない。
NRFのマット・シェイCEOは電話取材に対し、同5日間に多くの地域で気温が下がったため、外出者数が伸び悩んだ可能性があると同時に、冬物衣料を買う動機が強まる可能性も考えられる、と話した。
年末商戦期は、全米の消費者が家族や大切な人たちへの贈り物をまとめて買う時期であり、年間でもっとも買い物が集中する4週間だ。
▽美容関連品が初めて上位に
ことしの序盤5日間における人気商品は、調査対象者の約半数が購入した衣類やアクセサリー、そして調査対象者のほぼ3分の1が購入した玩具だった。それらの大部分は贈り物とみられる。NRFによると、美容関連品が初めて上位5種に入った。
NRFの調べによると、消費者の大半は感謝祭週末の時点で年末商戦での買い物のほぼ半分を終えたと回答した。
同調査は、米成人消費者3498人を対象に11月22日から26日に実施された。
アドビの調査でも今回の出だしが好調であり、特にオンライン販売の堅調さが明示された。アドビによると、ブラック・フライデイのオンライン買い物額は前年比7.5%増の総額98億ドルで過去最高を記録し、サイバー・マンデイには前年比9.6%増の124億ドルに上った。
▽NRF、年末商戦全体の売り上げを前年比3~4%増と予想
残る3週間に消費行動がどのように展開するかを予想するのは困難だが、NRFは、ことしの年末商戦期間の売上高について、前年比3~4%増の9573億~9666億ドルという予想を示した。
NRFの予想は、パンデミック中よりも小さい成長を示すもので、パンデミック前の平均増加率とほぼ同じだ。パンデミック中には、外部との接触を避けるためにオンライン買い物が急増したが、そのパンデミック効果はすでにないことから、パンデミック以前に戻るというのがNRFの見立てだ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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