マグナ・インターナショナルは、ラスベガスで開催中のCESで、効率とパワーを向上させたeドライブや、カメラとセンサーで血中アルコール濃度を検知する飲酒運転防止技術を発表した。
◇高い費用対効果
オートモーティブ・ニュースによると、新しい電気駆動システムは800ボルト(V)電圧の製品で、約165ポンドと軽く、前世代の製品より長さが20%短いため、柔軟性が高まった。さらに、アルミニウムとレアアース材料への依存度が低いため、生産過程における二酸化炭素(CO2)排出量を約20%削減できる。
マグナ・パワートレインのディバ・ルンガ社長は「私たちは持続可能な未来をサポートしつつ卓越した運転体験を創造することに強く取り組んでいる。当社の次世代電気駆動システムはまさにこの公約を体現しており、製品設計と生産方法の両方において、比類のない持続可能性を示している」と話した。
電気自動車(EV)市場の成長に応じてサプライチェーン(供給網)が変化する中、自動車メーカーへの年間売り上げで北米最大のサプライヤーであるマグナは、ポジションの維持を図っている。多くの自動車メーカーが内燃エンジン車からの移行に伴う雇用減を相殺するためにeドライブ(駆動モーター、インバーター、減速機を一体化した電気駆動システム)の内製化を進める中で、同社は革新的で費用対効果の高いソリューションを提供している。
マグナの新しいeドライブは、業界では初めて駆動軸を中心に90度回転させることが可能で、車両の前後スペースにおけるシステムの統合を改善できる。ピーク出力は250キロワット(kW)で、プライマリー・ドライブとしてもセカンダリー・ドライブとしても使える。大型車セグメント向けには、オプションとして、モーターをドライブシャフトから切り離すことができるデカップリングユニットを提供しており、電力が不要な時はエネルギーを節約して、車両の航続距離を延ばすのに役立つ。
◇カメラと赤外線で酒気を検知
一方、飲酒運転検知技術は、車載カメラとセンサーを使って、ドライバーの酒気、眠気、注意散漫を検知する。カメラ(未完成)でドライバーの瞳孔を監視して眠気や酒気を検知すると同時に、スウェーデンのガスセンサー会社センスエア(Senseair)が開発した赤外線センサーをコクピットに埋め込んで、ドライバーの呼気からアルコールとCO2の濃度を測定する。
この技術は、ドライバーの血中アルコール濃度が法定制限値以内かどうかを測定できるように設計されており、米国ではユタ州が0.05%、それ以外の州では0.08%となっている。米国の規制当局は、21年成立のインフラ投資法に基づき、ドライバーが酒や薬の影響下にあることを受動的に検知し、運転させないようにする機能を新車に搭載するよう義務付ける規則を導入するよう求められている。
運輸省道路交通安全局(NHTSA)は24年11月までに規則の内容を最終決定しなければならない。規則が発表されれば、自動車メーカーは2~3年以内にこうした技術を標準装備することになる。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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