ゴーンを信じて大丈夫か〜日産のEV販売振るわず
- 2013年3月22日
- 米国ビジネス
日産自動車の電気自動車(EV)販売が当初の見込みを大きく下回っており、同社の精神的支柱としてEV販売を推進してきたカルロス・ゴーン社長の信頼が揺らいでいる。
ブルームバーグ・ニュースによると、ゴーン社長は2009年、「EVが世界で次のT型フォードになる」と宣言しながら、デンマークなど各国で日産が自動車革命を主導することを想定した50億ドルのEV販売計画を発表した。3年後の12年現在、デンマークで売れた日産のEV「リーフ」はわずか73台となっている。
10年後には世界で売られる車の10台に1台がEVになるというゴーン氏の予言もむなしく、EV需要は依然として低く、価格は高いまま、充電施設の拡大も進まず、12年の米販売台数は日産の目標の半分にとどまった。みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、「日産が複数の市場で目標の数字を下回ったことで、信頼感が揺らぎ始めた」と指摘する。
それでもゴーン氏は強気を崩さず、志賀俊之最高執行責任者(COO)を4月1日付でEV事業の統括責任者に据えてEVをさらに重視する姿勢を見せた。新体制発表の数日後、ゴーン氏と同様に壮大なEV推進計画を掲げる中国の経済企画当局が、日産との合弁で15年までに年間5万台のEVを現地生産すると発表した。しかし、リーフはこの2月に世界累計販売台数が5万台に達したばかりだ。
英ヘッジファンドGAMのファンドマネジャー、ベン・ウィリアムズ氏は「EVの量産は時期尚早。世界的にインフラ整備が進んでいない。航続距離への懸念も根強い」と話している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月25日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
EV時代もガソリンスタンドは重要拠点に
-
2024年7月22日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
ビザ、生成人工知能による不正防止技術を新たに導入 〜 総額100億ドルの投資で年間400億ドルの防止効果
-
ジョー・バイデン大統領、出馬を断念 〜 身内や主要献金業界からの説得についに応じる
-
2024年7月18日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 米国ビジネス
マレーシア、アジアのデータ・センター拠点として台頭 〜 クラウドと人工知能による需要増で米国からの投資を呼び込む
-
2024年7月17日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
AT&Tのデータ侵害、スノーフレイクの巻き添えに 〜 2.4億人の携帯電話顧客と仮想通信網顧客会社が被害に
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で