人工知能が農業の世界を大きく変化させると目されている。
サウスイースト・ファーム・プレスによると、人工知能が影響する農業分野には、品種改良や新種開発、農業機械、生育に際してのデータ活用が挙げられる。
4月初めにノース・カロライナ・バイオテクノロジー・センターで開かれたエマージング・リサーチ・ショーケース(Emerging Research Showcase)において、ノース・カロライナ州立大学農業・生命科学部のゲイリー・フォックス学部長は、人工知能が「農業と生命科学の向かう未来だ」と話した。
フォックス氏によると、同大学では現在、15~20人の教職員が人工知能の研究に携わっており、植物科学や食肉生産の分野で複数の新規雇用を予定しているという。
また、人工知能は研究と指導、および生涯教育を変化させるという考えのもと、「学外活動や生涯教育、コミュニケーションの方法を見直すことが非常に重要」「人工知能の求人のいくつかはそういった分野になる」と同氏は話した。
そのほか、化学大手BASFのアイサ・クーリバリー上席研究者は、人工知能によって繁殖研究が進化すると説明した。複雑な特性や生物学の知識とデータを行動可能の精密植物繁殖の戦略に変えられるようになる可能性があり、同氏はそれを「ブリーディング4.0」(繁殖4.0)と呼んでいる。ブリーディング4.0によって、気候変動への耐性が高い品種を開発し、環境に遺伝子の因子型をあわせ、持続可能農法の要件を満たせるようになる、と同氏は考えている。
同氏によると、ブリーディング4.0は遺伝子編集が行われるようになった2015年ころから開始された。ブリーディング1.0は、1万年前に開始された農業で、種の選択を通じて小麦やキビ、トウモロコシの台頭につながった。1886年に開始されたブリーディング2.0は、遺伝的な特徴が親から子へ受け継がれるという知識にもとづいていた。1920年の交配や1960年代の緑の革命はすべてブリーディング2.0の一環だった。ブリーディング3.0は1990年以降、遺伝市場の発展とともに到来し、2010年のゲノミック予想まで続いた。そしてブリーディング4.0の時代は、人工知能が新種開発のおもな道具となったことで2015年に始まったという。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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