綿花および綿製品の業界においてデジタル変革が進行している。デジタル販促を専門とする代理店ブリーズマックスウェブのアンドリュー・ファリダーニCEOは、自身の経験にもとづいて、同業界におけるデジタル変革の現状についてフォーブス誌に有料で寄稿した。
▽生産の質と量を向上
ブリーズマックスウェブ(BreezeMaxWeb)は、製造業や流通業、農業といった業界のデジタル化を手がけてきた。綿花と繊維、衣類の業界では、デジタル技術が生産の質と量を大きく変化させ、それが業界全体に広まっている。新たなデジタル・ツール群の導入によって効率とスピードが向上し、持続可能の生産体制が実現している、とファリダーニ氏は書いている。
同氏によると、綿花を生産し、それを繊維に変え、衣類へと仕上げて販売するまでの過程を支援するデジタル技術はいまではたくさんある。同氏は、その代表的なものとして下記10種類の技術を挙げた。
1)モノのインターネット
モノのインターネット(Internet of Things=IoT)機器を使って土壌の水分や温度、作物の生育状況についてのデータをリアルタイムに収集することで、畑を遠隔から監視して、灌漑システムを調整するといった対応が可能になる。IoTアナリティクス(IoTAnalytics)によると、人工衛星通信に接続するIoTは、2027年までの年平均成長率が25%で、その市場規模は2200万ドルに達すると予想される。
2)無人航空機
ドローンは、高精細の空撮画像を提供することで、綿花生産に革命的な好影響をおよぼしている。害虫や疫病の発生、栄養分の不足といった各種の問題を早期に検出して、対応できるようにすることに大きく寄与している。
3)ビッグ・データとデータ分析
農場に設置されるさまざまの検知器から集めるデータだけでなく、歴史的な気象データと組み合わせて膨大な量のデータを分析することで、最善の結果を出すための植え付けの時期を予想するといったことが可能になる。
4)ロボティクスと自動化
位置情報を活用するスウォーム・ボットのようなシステムが畑の雑草管理や収穫で活躍している。また、流通および製造工程でも、仕分けや裁断、縫製といった反復作業が自動化されている。
5)供給網管理技術
供給網管理を進化させる技術には、ブロックチェーンやRFID(Radio FrequencyIdentification)、ERP(企業資源計画)システムがある。
6)CADソフトウェア
建築業界の設計業務にむかしから使われているCAD(computer-aided design)ソフトウェアは、衣料品の試作品をデザインするのに使われている。型紙を精密に作成して、立体的に視覚化し、生産工程を模擬化することで、デザインと試作品作成の時間とコストの節減に貢献している。
7)機械学習
言うまでもなく人工知能はさまざまの用途に使える技術だが、たとえば、製造工程に設置した検知器からのデータを分析することで、衣類製造機械の保守管理や品質管理を向上させることができる。
8)イーコマース・プラットフォーム
衣類ブランドらのオンライン店からアマゾンやアリババといったオンラインいちばまで、多岐にわたるイーコマース・プラットフォームが製品情報や購入者による商品評価、オンライン決済に代表されるさまざまの機能を提供している。
9)ソーシャル・メディア販促
ソーシャル・メディアは、インフルエンサーや標的広告でブランドの認知度を高めるほか、ブランドが自社ページで直接的に消費者と接点を持つのに重要な役割りを果たすようになった。グローバルウェブインデックス(GlobalWebIndex)の調べによると、ソーシャル・メディア利用者の54%は、衣類商品について調べる際にソーシャル・メディアを使っている。
10)顧客関係管理システム
顧客とのオンラインやりとりを確実に管理することで、個人化されたサービスを提供し、究極的にはリピート販売へとつなげられる。セールスフォース(Salesforce)によると、顧客関係管理システムを使うことで販売額が最大29%増加するという。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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