米国を拠点とするバース(BaaS=banking-as-a-service)大手イヴォルヴ・バンク&トラスト(Evolve Bank & Trust)は7月9日、サイバー攻撃によって少なくとも760万人分の個人情報が盗まれた可能性があることを明らかにした。
テッククランチ誌によると、イヴォルヴは、メイン州の司法長官に提出したサイバー攻撃被害報告書のなかで、ハッカーらにアクセスされたデータの内容を明らかにしていないが、顧客らの氏名や社会保障番号、銀行口座番号、連絡先、同社従業員の個人データ、金融サービス技術(フィンテック)提携先の顧客情報が被害にあったと自社ウェブサイトで説明している。
データに不正アクセスされた提携先には、フィンテック新興企業のアファーム(Affirm)が含まれる。また、別のフィンテック新興企業であるマーキュリー(Mercury)は、イヴォルヴの攻撃被害によってマーキュリーの「一部顧客の口座番号や預金残高、会社所有者らの名前と電子メール」が不正アクセスされたと発表した。さらに、オンライン送金サービス新興企業ワイズ(Wise)も「自社顧客の個人情報が巻き込まれた可能性がある」と話した。
イヴォルヴは、「自社事業のほか、信託や住宅ローンの顧客らに関する情報を含め、ほかにどのような個人情報が影響を受けたか調査中だ」と話している。
イヴォルヴが今回の攻撃被害に気づいたのは5月だ。ロシア拠点のサイバー犯罪集団ロックビット(LockBit)が2月から5月にかけて展開したランサムウェア攻撃が今回の被害につながった、と同社は説明した。同社は身代金の要求に応じなかったため、ロックビットは盗み出した情報をダーク・ウェブ・サイトで公開した。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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