アマゾン(Amazon)のアンディー・ジャシーCEOは9月16日、全従業員に宛てたメモのなかで、週5日出社を求めた。
CNBCによると、同社はこれまで、コーヴィッド19パンデミック収束後に週3日の出社を求めてきたため、今回の決定は、パンデミック前の全平日出社に完全に戻るという大きな転換を示す動きだ。同社の全従業員はそれを受けて、2025年1月2日から週5日出社を義務づけられる。
「情状酌量の余地がある場合を除き」、あるいは所属部署のS幹部チーム(seniorleadership team、上席幹部で構成される執行部に属する上席管理職。アマゾンの場合、30人のS幹部がいる)から例外を認められた場合を除き、「従業員たちは事務所に週5日いることが求められる」とジャシー氏は明言した。
アマゾンはまた、「組織内の階層を取り除き、組織構造を平坦にする」ために、管理職の数を減らして組織構造を単純化(簡素化)する、と同氏は述べた。
同社は、ジャシー体制になる前のパンデミック中に人員を急増させた。多くの技術サービス会社らは、パンデミック効果を受けて、遠隔労働や業務効率化を推進するさまざまのオンライン機能や仮想化機能といったソリューション群の需要急増に対応するために雇用数を大幅に増やした。
しかし、パンデミック収束にともなう事業環境の変化に加え、人件費の増加や供給網の混乱、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する原油&天然ガスの高騰、インフレーション抑制のための米中央銀行による金利引き上げが重なり、米技術業界では多くの会社が減収減益を強いられた。
アマゾンの場合、上場以来27年間で最大の解雇を中心としたコスト削減を余儀なくされた。2024年第2四半期における同社従業員数は153万人で、前年同期比わずか5%増だった。それに対し、2022年第2四半期における同社従業員数は14%増の152万人だった。
ジャシー氏は、パンデミック中の増員による余剰人員およびだぶついた中間管理職の数を最適化すると同時に、週5日出社に戻すことで本来の企業文化をあらためて醸成し、機動性を強化するという考えを明示した。
同氏はその一環として、「官僚主義メールボックス(bureaucracy mailbox)」という専用の電子メール・エイリアスを開設した。非生産的な手続きであふれる官僚仕事を排除すべく、ムダな業務過程や不要の規則類を指摘する改善策および提言を専用電子メールで受け付けることがそのねらいだ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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