5月の米自動車海上輸入量、関税で70%超の激減

貿易データのデカルト・データマインは、2025年5月の海上輸送による米国への自動車輸入量が前年同月比72.3%と大きく減少し、9380TEU(20フィート標準コンテナ換算)だったと発表した。トランプ大統領が導入した輸入車に対する関税の影響とみられる。

オートモーティブ・ニュースによると、この激減は、トランプ政権の自動車への関税が実際にメーカーの判断に影響を与えていることを示している。米国では4月、自動車に25%の追加関税がかけられたため、輸入業者は今後の政策変更を見越して出荷を一時停止している可能性がある。

デカルトの海上輸送データには、カナダやメキシコなど北米からの輸入は含まれない。なお、自動車部品や付属品の5月輸入量は14.8%の減少にとどまり、車体やキャブ(運転室)の輸入は18%増加した。車両の大きさにもよるが、1TEUは約1台と換算できる。

トランプ政権は、関税の重複を避けるための調整や、部品関税の払い戻し制度の整備を進めているが、業界には依然として不透明感が漂う。英国とは、英国産の自動車に年間10万台まで10%の関税を適用することで合意した。

自動車メーカーは現在、米国で組み立てられる車両に使う部品に関して関税の払い戻しを申請する手続きの最終指針を待っている。ディーラーは関税導入前の在庫を販売しているが、4月の車両価格はすでに前年比で0.3%上昇している。

アジアや欧州のメーカーは、米国内の生産拠点が少なく完成車を海上輸送に頼っているためより大きな影響を受ける可能性があるが、フォード、ゼネラル・モーターズ(GM)、ステランティスなど国内に多く拠点を持つメーカーは、生産を米国内にシフトできる利点があり、比較的有利な立場にある。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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