大容量データ分野での最新動向 〜買収から新製品、新興企業の動きまで
- 2013年5月3日
- ハイテク情報
大容量データ(Big Data)関連事業をとりまく環境がめまぐるしく変化するなか、データ・センター・ノーレッジ誌によると、この数日間に大きな動きが三つあった。
まず、大容量データ技術企業アクティアン(Actian)によるパーアクセル(ParAccel)買収が挙げられる
パーアクセルの大規模データ分析技術は、アマゾン(Amazon)ほか、スコットランド王立銀行、オフィスマックス、マイクロストラテジーといった大手企業で採用されている。
アクティアンは、パーアクセルのデータ管理および分析技術を統合することで、エンド・ツー・エンドのデータベースの構築から分析まで一環したサービスを提供する計画だ。
パーアクセルがアクティアンに吸収されることで、パーアクセルの顧客企業は、多様なデータ・ツール群を使って、独自に収集するデータの価値を上げることができると期待される。
自動車市場に関する様々なデータを提供するオートメトリクス(Autometrix)は、アクティアンによるパーアクセル吸収を歓迎する顧客企業の一つ。オートメトリクスは150以上のウェブサイトから膨大な量のデータを集め、自動車メーカーやディーラーに有益情報を提供している。
そのデータの量(記録件数)は一日あたり数百万件という膨大さだ。オートメトリクスは、アクティアンとパーアクセルの大規模データ技術を使うことで、自動車市場動向分析内容の質を高められると期待する。
次に挙げられるのは、データ・ウェアハウス・サービスを提供するテラデータ(Teradata)の新製品だ。テラデータは、SASハイパフォーマンス・アナリティクス・モデル720に対応したテラデータ・アプライアンスを発表。
同製品は、SASビジュアル・アナリティクスにも対応し、テラデータのデータ分析ソフトウェア上でビジュアル・アナリティクスを使うことで、大容量データに埋も隠れたパターンを瞬時に発見できるようにする。また、発見されたパターンをパソコンやタブレット、スマートフォンで即視覚化することも可能。
最後に、新興企業のキューボール(Qubole)が有力ベンチャー・キャピタル(VC)から投資を獲得したことが挙げられる。
キューボールは、チャールズ・リバー・ベンチャーズ(Charles River Ventures)とライトスピード・ベンチャーズ(Lightspeed Ventures)、複数の投資家たちから初期投資として総額700万ドルを調達したことで、有望視される大規模データ分析技術企業として関心を集めている。
ハドゥープ(Hadoop)基盤のサース(SaaS=Software-as-a-Service)「キューボール・データ・サービス(Qubole Data Service)」は、クラウド電算環境に対応した分析プラットフォームで、多様な電算環境からデータを集め、タブロー(Tableau)やエクセルといったアプリケーションで使えるフォーマットに変換する。
キューボール・データ・サービスはまた、SQLやNoSQL、MPPプラットフォーム向けのコネクターを用意しており、アナリストやデータ処理担当者らがデータセットを簡単に加工できるよう設計されている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に