ウォルマート、IT新興2社を買収 〜クラウド技術とソーシャル・サービス

 小売チェーン世界最大手のウォルマートがシリコン・バレーに有する技術研究所のアットウォルマートラブズ(@WalmartLabs)は、二つの新興IT企業を買収した。

 テッククランチ誌によると、買収されたのは、クラウド技術を手がけるワンオプス(OneOps)と、ソフトウェア開発を手がけるテイスティー・ラブズ(Tasty Labs)。買収金額は明らかにされていない。

 ワンオプスは、パース(PaaS)を開発し、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)やラックスペース、ヒューレット・パッカード(HP)のクラウド・サービスでアプリケーションをホスティングする開発者向けにツールを提供している。

 ワンオプスのプラットフォームでは、アプリケーションのブートストラップを高速化する要素をあらかじめ定義してライブラリで提供しており、それを独自のインターフェイス内で視覚的に構築できる。カテゴリーには、コンテント管理や電子商取引、エンタープライズ・ポータルなどがある。

 ワンオプスは、ネットワーク・ワールド誌が選ぶ「注目のクラウド企業12社」の1社に選ばれていた。

 「当社(ウォルマート)は、いつでも、どこからでも利用できる世界規模の電子商取引プラットフォームを構築したいと考えている」「当社は大規模の革新途上にあり、そのなかでワンオプスは、世界規模のプラットフォームに向けて前進を加速させるツールをもたらす」と、ウォルマートのラビ・ジャリワラ広報責任者は発表した。

 一方、テイスティー・ラブズは、ソーシャル・ブックマーキング・サービスのデリシャス(Delicious)を設立したジョシュア・シャクター氏らが2010年に設立し、ベンチャー・キャピタルや個人投資家から300万ドルを調達しているソーシャル・ソフトウェア開発企業。

 テイスティー・ラブズは、個人利用者が要望を投稿してほかの利用者がそれに応える仕組みの「Jig.com」と、やはり個人利用者が小さなタスクに応じる「Human.io」という二つのサービスを運営していた。現在、それらのウェブサイトは、買収告知ページに転送されている。

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