文字拡大入力技術でスマート腕時計に新機能 〜カーネギー・メロン大学

 スマート腕時計への関心の高まりが昨今顕著になり始めた。アップル(Apple)がすでに開発中という噂は1年近く前からあり、サムスン(Samsung)も開発に着手したと数週間前に報じられた。

 また、ソニーが1年前に発売したスマート腕時計が不振だというニュースも先日報じられたばかりだ。さらに、グーグル(Google)やマイクロソフト(Microsoft)も同市場に進出することが噂されている。

 スマート腕時計の潜在市場については、数十億ドル規模という楽観的予想もある一方で、ソニーのスマート腕時計が苦戦している理由として、スマートフォンの補助的機能に限定されれば売れない、とも指摘される。

 そのため、スマート腕時計に真に求められる機能とは何かという考察が盛んになっている。これまでは、スマートフォンとの連携や、健康関連の監視(追跡)機能、クラウド・サービスとの同期といった点が挙げられている。

 しかし、コンピュータワールドによると、入力を可能にする機能の有無が重要になるという視点が浮上している。スマート腕時計はこれまで、利用者が情報を受け取ったり、ほかの機器との中継機能だったりと、スマート腕時計に情報を入力する機能は無視されてきた。液晶画面が小さすぎるため、情報入力に向かないという通念があるためだ。

 それに挑戦しているのが、理工系に強いカーネギー・メロン大学の研究班だ。同大学のヒューマン=コンピュータ双方向研究所は、表示文字を自在に拡大できる新技術を開発し、一部で注目されている。

 「ズームボード(ZoomBoard)」と名付けられた同技術は、利用者が画面を軽く打つたびに個々のキーが拡大され、利用者が入力しやすい大きさまで自由に大きくできる。

 研究班によると、キーを触り続けると大文字を入力でき、左にスワイプすると文字を消せ、右にスワイプするとスペースを入力でき、上にスワイプすると、数字や記号といった二つ目のキーボードが表示され、それぞれのキーを軽く打つたびに拡大される。

 スマート腕時計を使った文字情報の入力は確かに面倒だが、「1分間に約10語を正確に打てるようになる」と同研究班の大学院生クリス・ハリソンさんは説明する。

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