レノボ、米国でスマホ発売へ〜1年以内にとCEO

 中国のパソコン大手レノボ・グループのヤン・ユァンチン最高経営責任者(CEO)はこのほど、1年以内に米国でスマートフォンの販売を始めたいと述べた。パソコン需要が縮小しているため。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、レノボはパソコン業界では販売が堅調で利益率も改善しているが、長期的な成長のための新しい原動力を求めている。ヤンCEOは「上場企業としては常に成長戦略を考える必要があり、スマホは新しい商機だ」と話した。消費者は近年、携帯通信端末への支出を増やしている上、企業は景気低迷の影響でオフィス用パソコンを買い控えている。

 レノボは中国ではサムスン電子に次ぐ第2のスマホ販売業者で、市場調査IDCによると同国でのシェアは2011年の4.1%から12年には11%に急上昇し、サムスンの17.4%に近づいている。昨年からはインド、ロシア、インドネシアといった新興市場に参入して海外のスマホ事業も拡張しており、次は欧米市場を狙っている。

 ただし、米国など成熟市場では知名度が低いため、厳しい戦いとなる可能性が高い。ヤンCEOは「スマホ市場はファッション業界に似てマーケティングが重要なので、そこを強化する」と話している。また、アジアの新興市場ではハンドセットの小売りが一般的なのに対し、成熟市場では消費者の購入コストを低く抑えるため、電話会社やその子会社に依存しなければならず、スマホ販売では新しい販路を構築する必要がある。

 レノボは14年3月期の世界スマホ販売目標を5000万台に設定する。13年3月期は3000万台だった。13年1〜3月期の総売上高は前年同期比4%増、利益はほぼ倍増と堅調だった。

 これに対し、パソコン世界最大手のヒューレット・パッカード(HP)は売上高が10%減、純利益は32%も落ち込んだ。デルも2%の減収、79%の大幅減益だった。

 IDCによると、1〜3月期のパソコン世界出荷総数は14%減と過去最大の落ち込みとなり、HPのシェアは前年の17.7%から15.7%に低下したが、レノボは13.2%から15.3%に拡大した。

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