干ばつの次は大雨〜異常気象に苦しむ中西部農家
- 2013年6月13日
- 米国ビジネス
昨年のこの時期、中西部の農家は日照り続きで雨乞いをする状況だったが、今年は一転して大雨に悩まされている。
ニューヨーク・タイムズによると、米国史上最も深刻といわれた昨年の干ばつがうそのように、今年はミネソタ東部からイリノイ、ミズーリにかけたミシシッピ川流域の農業地帯では年初からの雨量が例年の3倍に達している。モンタナやダコタ、ネブラスカ、アイオワ、オクラホマでは洪水も発生し、トウモロコシの最大生産地アイオワはこの春、17.66インチと過去最多の雨量を記録している。
今も米国土の44%強は干ばつ状態だが、3月初めからは9ポイント以上縮小した。ミズーリ北西部の3500エーカーの農地でトウモロコシと大豆を作るロブ・コーフ氏は、「30年農業をやっているが、今年ほどひどい春はない。雨が続いて作付け(植え付け)ができないんだ。まだある程度の収穫は見込めるけど、豊作は無理だろう」と話している。今年も収穫が少ないと、最終的に肉の価格上昇といった形で消費者への影響も出かねない。
作付けに理想的な土の状態は、地表から2〜4インチまで乾き、その下が湿っていること。トラクターで押し固められても植物の根に酸素が行き渡るからだ。地表まで湿っていると、根が水浸しになって呼吸ができなくなる。従って雨が続くと土が乾かず、作付けの機会が生まれない。
このため、今年は多くの農家で1カ月以上作付けが遅れている。農務省によると、全米のトウモロコシ作付け進ちょく率は5月12日時点で28%と、昨年同期の85%を大きく下回った。6月2日時点も昨年は100%だったが、今年は91%にとどまっている。
農務省は当初、今年のトウモロコシの作付面積は1939年以降最大の9730万エーカーで、収穫も141億4000万ブッシェルと予想したが、今は作付けが予想を下回る可能性もある。
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