小型エンジンが大人気〜米市場も1リッター3気筒の時代

 米自動車市場では長年、大型のV8エンジンがもてはやされたが、最近は超小型で燃費の良いエンジンの開発が進み、排気量1リッター(1000cc)の3気筒エンジンが注目されるようになっている。

 USAトゥデイによると、米国で初めて近代的な1リッター・エンジンを採用するのはフォード。今秋に発売するサブコンパクト車「フィエスタ」に123馬力の3気筒ターボエンジンを搭載する。同エンジンは欧州ではすでに一回り大きい小型車「フォーカス」で使われており、予想以上の販売を記録している。

 ゼネラル・モーターズ(GM)も1〜1.5リッターの3気筒エンジン搭載車を出す予定で、現在同社の最小は「シボレー・スパーク」の1.2リッター4気筒エンジンだが、1リッターの3〜4気筒エンジン製造でミシガン州フリントの工場に2億1500万ドルを投資している。

 独BMWは、新しいハイブリッド・スポーツ車「i8」に3気筒エンジンを搭載する予定。同ダイムラーもフォードとエンジン情報を交換するなど、この分野に関心を示している。

 超小型エンジンに対するメーカーの関心が高まった背景には、燃費規制の強化や、ガソリンが高騰した際の競争力の高さなどがある。市場調査LMCオートモーティブの国際パワートレイン担当者マイク・オモトソ氏は「かつてV8エンジンを自慢したメーカーが、今は高速走行燃費の良さを売り物にする。業界に大きな文化的変化が起きている」と指摘する。同氏の予想では、排気量1リッター以下の車は2017年までに44%増加して289万台になり、4リッター以上は約2%増の420万台になる。

 一方、エンジンの小型化がだんだん難しくなっているのも事実だ。メーカーはこの10年間、燃焼効率を高めるターボチャージャー(過給器)の採用でで3年ごとに1リッター当たりの馬力を10〜15%向上させてきたが、ハネウェル・ターボ・テクノロジーのスティーブ・マッキンリー最高経営責任者(CEO)は「ダウンサイジングにはおのずと限度がある」と話している。

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