GE、産業インターネットをさらに推進 〜大規模データ製品群を発表
- 2013年6月21日
- ハイテク情報
ゼネラル・エレクトリック(GE)は、予測ソフトウェアやハドゥープ(Hadoop)基盤のソフトウェアを含む大規模データ(Big Data)関連プラットフォーム製品を発表した。
ギガOM誌によると、今回の製品はいずれも、産業データの処理および管理を目的とすると同時に、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)と協力してパブリック・クラウドによって産業データを共有する計画もGEは明らかにした。
GEはかねてより、検知器や機械が接続機能を介してリアルタイムでデータをやりとりする「産業インターネット(industrial internet)」戦略を掲げてきた。
GEが開発中の大規模データ・ソフトウェアは「ヒストリアン(Historian)」と呼ばれ、ハドゥープを使ってタイム・シリーズ・データを管理するものだ。
GEのグローバル・ソフトウェア・センター担当副社長ビル・ルー氏は、産業データ量がほかの種類のデータに比べて2倍の速度で増えており、GEの研究所で生成されるデータが1日約5テラバイトに達すると説明。
ヒストリアンは、ハドゥープの特徴を活かして多数のノードに拡張でき、またタイム・シリーズの管理機能によってデータの一貫性を保つことができる。タイム・シリーズ・データの個々のデータ容量は小さいものの常に生成されるため、わずかな期間に記録件数が数億に達する可能性がある。
一方、アマゾン(Amazon)は、GEが産業インターネット・プラットフォームに採用する初のクラウド・プロバイダーとなる。ただ、アマゾンがGEのハドゥープ・ソフトウェアを採用するのか、あるいはAPI(application programming interface)のリンクで対応するのかは、現時点では明らかではない。
アマゾンとGEの説明によると、GEの「プリディクティヴィー(Predictivy)」ソフトウェアおよびヒストリアンのために生成されたデータをアマゾンのクラウドに伝送して保管できるようになる見通し。つまり、利用者は、自社内とクラウドのいずれかまたは両方でデータを処理できる。プリディクティヴィーは、機械の生成するデータをつなげて人間が使いやすいように調整するためのソフトウェア。
産業インターネット構想は、いわば「モノのインターネット」を産業水準に転じるものだ。家庭内の家電や空調を接続するように、発電所の設備機器を接続して管理できれば、エネルギー消費効率化に大きく貢献できる可能性がある。
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