トヨタ、部品を世界統一化へ
- 2013年6月27日
- 自動車関連
世界統一化をめざし、トヨタはさまざまなモデルに使用している部品の種類を減少させようとしている。一例として、ドライバーの膝を守る膝用エアバッグを、50種類から80%減の10種類にする予定だ。これまでトヨタは、カスタムメイドの部品に力を入れ、膝用エアバッグに関しても、同社のさまざまなモデルの座席に対応するために50種類が必要だったのだ。
共有部品の使用促進により、ラジエーターも100種類から21種類に削減した。同社はシリンダーのサイズも、2016年までに現状の18から6種類に減らす方向だ。
2012年「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」計画が発表され、共有できる部品を増やし、開発期間を節約することで、コスト30%減が目標に掲げられた。共有部品使用が促進され、2014年—2015年期には新型プラットフォームを採用した車両が登場する。
ジョンソン・コントロールズ、ボッシュ、コンチネンタル、TRWのようなトヨタに部品供給しているグローバルサプライヤーはデンソー同様に、世界統一化傾向によって、より大きなビジネスに発展することを期待している。これら国際的なサプライヤーは、トヨタとの新たな契約の機会を視野に、日本に拠点を開設する予定だ。米国のジョンソン・コントロールズは横浜に試験センターを3500万ドルかけて新設する。2015年までにアジア市場で2倍の売上げを目標とするコンチネンタルも、日本で新規に100名を採用する予定。これにより、同社の日本での従業員総数は1000名を超す。
トヨタは2012年3月に地震と津波によって発生した流通網の課題を、他の日本の自動車メーカー同様に、共有部品使用に焦点を当てることで乗り越えていく意向だ。タイの水害を含めた2つの災害により、日本国内と海外市場向けの同社の組立工場の操業が停止した。トヨタの世界統一化は、リコール関連の問題解決にも有効である。共有部品を増やし、関係するサプライヤーを減らすことにより、トヨタはより効率的にリコールに対処することが可能となる。
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