米国人の寿命延びる〜ただし健康で長生きとは限らず

 米国人の寿命は20年前より延びたものの、延び方は他の先進国より鈍く、しかも決して健康な状態で長生きしているわけではないことが、ワシントン大学の調査で明らかになった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、調査は同大学保健指標評価研究所(IHME)が行い、291の疾患、67の疾患リスクに関するデータのほか、政府が支援したさまざまな健康調査を基に、疾患と生活の質の関係を国際的に比較した。データ収集の範囲は187カ国に及んだ。

 米国人の平均寿命は、1990年の75.2歳から2010年には78.2歳と20年で3年延びたが、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中の順位は20位から27位に後退した。

 さらに、生活の質(QOL)の指標となる「慢性障害を抱えて生きる期間」は9.4年から10.1年に延び、障害のない健康な寿命は65.8歳から68.1歳に延びたものの、順位は14位から26位に後退した。1位の日本は、69.9歳から73歳に延びた。調査報告書は米医師会ジャーナル(JAMA)に掲載された。

 米国では心臓病と肺がん、脳卒中が早死にの3大要因で、生活上の障害では腰痛、筋肉や神経、関節の支障、うつや不安障害などが多い。慢性障害の多くは寿命に大きく影響していないが、医療コストを膨らませている。

 一方、障害を伴う生活や早死にのリスクを高める要因として、喫煙よりも不健康な食習慣の危険度が高まった。米政府に保健行政を助言する医学研究所(IOM)のハービー・ファインバーグ所長は、「米国の医療支出はひと昔前には考えられない水準になっているが、健康の改善ペースは遅く、今回の調査が触れたすべての点で米国は先進国中最も成績が悪い」と話した。

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