フォード、F150でも天然ガス車提供へ

 フォードは、ピックアップ・トラック「F150」の圧縮天然ガス(CNG)版を年内に発売する。商用分野で天然ガス車の需要が堅調なため。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はこれまで、より大型のピックアップや配送バン「トランジット・コネクト」でのみCNG版を提供していた。2012年の天然ガス車販売は1万1000台と09〜11年の合計の2倍に上っており、F150を加えることで今年は約1万5000台に増える見通し。注文に応じてF150を天然ガス車に切り替えるためのコストは、全体で7500〜9000ドルと推定される。

 業界では、クライスラーやゼネラル・モーターズ(GM)がすでに0.5トン・トラックで天然ガス車をオプション提供しているが、専用タンクや燃料ラインを自社工場で取り付けているのはクライスラーだけで、フォードとGMは外部に委託している。

 米天然ガス車協会(NGVA)によると、国内では現在、商用トラックやバスを中心に約13万台の天然ガス車が走っている。フォードからCNG車を大口購入している企業にはパイオニア・エナジー・サービシズ、AT&Tなどがあり、これらの企業は燃料を大量に消費するため、価格の安い天然ガスを使うことができれば初期コストは短期間に相殺でき、独自の燃料補給所を作れば補給の心配もいらない。

 一般的には、天然ガスには初期コストが余分にかかる、燃料補給所が少ない、燃料タンクが大きいといった欠点があり、電気自動車のような購入時の連邦税控除もない。

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