H&M、ついに米ウェブ通販開始〜商品供給の整備に手間取る

 スウェーデンのファストファッション大手へネス&マウリッツ(H&M)は今月、予定より大幅に遅れて米国でのオンライン販売を開始した。

 ビジネス・ウィークによると、スペイン系の同業ザラにはほぼ2年遅れ、昨年の年末商戦前に米国向け販売サイトを開設したユニクロにも大きく遅れたスタートとなった。

 同社が米国向けウェブ・ストアの立ち上げを発表したのは2011年1月。当初は12年初めに営業を開始する予定だった。オープンに伴い、8月いっぱいは送料無料サービスなどのプロモーションを行う。

 市場調査イーマーケターによると、米国では衣料・アクセサリーのオンライン売上高が年間540億ドルに上り、毎年約20%のペースで増えている。オンライン小売り市場の構成比は、衣料品は消費者電子製品に次ぐ2番目で、書籍、音楽、ビデオの2倍に上る。

 H&Mにとって米国はドイツに次いで2番目に大きな市場であり、オンライン販売によって実店舗をオープンしていない地域の客も取り込める。H&Mは、現在営業する世界49市場のうち英国やドイツなど20カ国以上でオンライン販売を行っているが、米国で出遅れた理由は技術面ではなく、商品供給体制の整備だった。

 米国人消費者は移り気で返品が多い上、国土が広く地域ごとに気候が大きく異なるため、オンラインでどの商品をストックするかの判断も難しい。ザラは指令系統が垂直的で、アパレル商品はすべて自社生産のため比較的有利だが、H&Mは商品の生産を外部に委託している。

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