高級カメラ販売も低迷〜キヤノンとニコンが苦戦

 スマートフォン人気の影響で小型デジタルカメラの販売が落ち込み、同部門に依存するカメラメーカーの弱点がさらけ出されている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、カメラ販売が総売上高の40%を占めるキヤノンでは、2013年4〜6月期の小型カメラ売上高が昨年同期比で26%落ち込んだ。ニコンに至っては収入の78%をカメラ販売に頼っているが、同期のカメラ売上高は30%減だった。12年の世界小型カメラ市場は、キヤノンとニコンの2社でシェアの44%を占めた(IDC調べ)。

 カメラ機能を備えたスマートフォンの普及で小型デジカメの売り上げは頭打ちとなっており、カメラメーカーは高級機種の販売に望みを託している。市場は限定されるものの製品単価が高く、高級カメラの利益率は小型カメラの1桁台に対し15〜25%に上る。しかし、4〜6月期は高級機種の売り上げもキヤノンで4%、ニコンでも5%落ち込んだ。

 売り上げ低迷の理由として、両社とも中国市場の鈍化を挙げているが、ほかの市場でも見通しは厳しいのが現状だ。ニコンの場合、米州と欧州のほか、日本以外のアジア市場でカメラ販売が当初の目標を下回り、14年3月期の営業利益予測を23.5%下方修正した。一方のキヤノンも、13年のレンズ交換可能カメラの販売台数予想を920万台から900万台に引き下げたが、専門家の予想では837万台にとどまる見込みだ。

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