オーパワー、需要反応サービスを開始 〜行動変化を促し電力消費量を削減
- 2013年9月16日
- 環境ビジネス
省エネに役立つ情報を提供することで電力利用者の行動変化を促進するオーパワー(Opower)は、同様の取り組み方に基づく需要反応(応答)サービスを提供する。
グリーンテック・メディアによると、オーパワーの共同設立者アレックス・ラスキー氏は、最近の業界会議の講演で自社の事業について、「当社は過去5年にわたって世界最大の行動科学実験を行ってきた」と話した。
その実験は、これまでのところ奏功している。電力使用量が近所の世帯と比べてどのような状況かを示した基本情報を送ることで、電力利用者の行動に変化を起こし、省エネを達成できるという結果が実証されている。
2007年の設立以来、同社が契約した電力会社は85社に上っており、手紙と電子メールで情報を送るという簡単なやり方で、これまでに2テラワット時の電力使用削減を達成した。
そのオーパワーが新しく乗り出そうとしているのが、需要反応サービスだ。電力使用状況の報告と同じ発想に基づくもので、スマート・メーターからのデータを分析して、電力需要がピークに差しかかる際に電子メールとテキスト・メッセージ、そして電話で電力利用者に通知を送ることで、使用量削減を促す。
同サービスの導入第1号となる提携も発表された。ボルチモア・ガス・エレクトリックとの3年契約で、オーパワーはサービス圏内の顧客4000万世帯に対して通知を送信する。
同提携では、今夏すでに3回にわたって通知を送信した。オーパワーでは具体的な結果を公表していないが、販促担当上級副社長のロデリック・モリス氏によると、「成功」を収め、全米規模での展開に対する自信を深めたという。
同氏は、家庭用需要反応サービスを20倍に拡大し、1キロワットあたりのコストを40%削減できる可能性があると説明している。
オーパワーは、ハネウェルと協力して独自のスマート室温調節器の開発も進めている。しかし、付加的なハードウェアの必要がないほうが顧客の参加度は高まるというのが同社の考え方だ。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ