レストラン、タブレットで増収に成功 〜 客単価も回転率もチップも上昇

 レストランが各席にタブレットを取り付け、注文や支払いを客が自分でできるようにすることで、客単価(客一人あたりの消費額)が大幅に上がることが分かった。

 ビジネスウィークによると、チリーズ・グリル&バーは、傘下の180店舗で6ヵ月にわたってタブレットを試験導入したところ、非常に良い数字が出たため、2014年半ばまでに国内1266店のほとんどで本格導入することに決めた。

 同社は、タブレットの良さについて、店員を減らして人件費を浮かせることではなく、客単価が増えることだと説明。

 同社が選んだタブレットは、ジオスク(Ziosk)というダラスのメーカーの製品。ジオスクのタブレットは、アップルビーズやウノ・シカゴ・グリルといったレストラン・チェーンでも使われている。

 タブレット導入で客単価が増える要因にはいくつかある。まず、客がウェイターに依存する度合いが下がるにもかかわらずチップが増える。ジオスクのデータでは平均約15%も上昇する。

 その理由は、タブレット画面上に「希望チップ額」が表示されるためで、チリーズでは20%に設定されている。その額を払うかどうか決めるのは客だが、サービスがよほどひどくない限り、それより少なく払う人は少ない。

 また、席に着いた客はすぐに注文に取りかかれるため、空腹時にじっくり考えず多めに注文する席が増える。特に、おいしそうな前菜の画像があるレストランではその傾向が強い。

 ジオスクによると、タブレットによって前菜の売り上げが20%増えるという。

 同様に、タブレットはデザートの売上増にも貢献している。チリーズでは、客が主菜を食べているうちからデザート類の画像がスクリーンに表れる。ジオスクのデータによると、タブレットによってデザートの売り上げが約30%増える。

 タブレットはさらに、食事以外の売り上げにも貢献する。チリーズの場合、99セントで無制限にゲームが楽しめるサービスを提供し、ゲーム収入をジオスクと折半している。客の10組に1組はゲームをするといい、親が食べている間、子供を遊ばせる方法としても活用されている。

 さらに大きな利点として、店員に支払い勘定を頼んだり、釣り銭を待つといった時間が省略されるため、席の回転率が上がることも確認された。ジオスクは、客の滞在時間が最高5分短縮されるとみている。

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