コーナーストーン、人材管理のサースで健闘 〜 オラクルら大手に勝る販売

 サース(SaaS)型人材管理ソフトウェアを開発するコーナーストーン・オンデマンド(Cornerstone OnDemand)は、オラクル(Oracle)やSAP、IBMといった技術大手を向こうに回して健闘している。

 コーナーストーン(カリフォルニア州サンタ・モニカ拠点)のソフトウェアは、大手の製品よりも高い評価を多くの業界専門家らから受け、実際、同社製品は現在、企業向け人材管理分野で最も売れている製品となっている。

 インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、コーナーストーンの四半期業績は4期連続で前年同期比54%、63%、57%、66%という大幅増を記録し、6月30日時点での顧客企業数は1400社、利用者数は1200万人と、1年前の1000社、940万人から大幅に増えている。

 オラクルとSAP、IBMは、企業向け人材管理ソフトウェア市場の潜在性に2011年から目をつけ、過去13ヵ月間にコーナーストーンの競合にあたるタリオ(Taleo)やサクセスファクターズ(SuccessFactors)、ケネクサ(Kenexa)を買収し、同分野におけるクラウド・サービス新興企業への対抗に注力している。

 「企業の投資意欲は、人材管理を含む特定分野においては今も高い」と、ノースランド・キャピタル・マーケッツのスコット・バーグ氏は話す。他社が買収されていることから、コーナーストーンが「唯一の新興独立系大手」になった今、コーナーストーンへの注目はさらに高まっている。

 「コーナーストーンは、人材管理や新人研修に関するすべての主要要素を提供している」「同じプラットフォーム上で構築されているため、統合も完全に行われている」とIDCのリサ・ローワン氏は説明する。

 コーナーストーンが現在注力しているのは、ソーシャル機能とモバイル機能をサース型人材管理ソフトウェア製品に組み込み、それを最適化することだ。「(それらが)人材管理分野の2大傾向」だとバーグ氏は説明する。

 野村証券のリック・シャーランド氏は、コーナーストーンの成功の要因として、使いやすく幅広い製品群を積極的に構築したことを挙げる。しかし、オラクルやSAPが買収資産の統合を進めるにつれ、追い上げられる可能性はあると同氏はみている。

 「長期的には、オラクルとSAPの製品統合の進化と強力な営業力がコーナーストーンにとって脅威になるだろう」と、シャーランド氏は報告書で指摘する。

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