ペット用シートベルトを審査〜バージニア団体とスバルが共同で

 バージニア州の民間団体「ペット安全センター」(CPS)はこのほど、富士重工業傘下のスバル・オブ・アメリカと協力して、市販のペット用シートベルトの衝突試験を行った。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、試験の目的は、ペット愛護団体が認証するに値する質の高い商品を判別すること。将来は全米安全基準の設定を目指している。

 この夏の試験では、体重25ポンドのテリア系雑種、45ポンドのボーダー・コリー、75ポンドのゴールデン・リトリーバーを想定してセンターが製作した3種のダミー犬を使い、7種類のシートベルトを州内の政府施設で調べた。

 詳しい結果は近く発表される予定だが、犬がシートから飛び出さなかったのは、スリーピーポッド(Sleepypod)の3点式ベルト「クリッキット(Clickit)」だけで、事故発生時に犬を含む車内の安全維持に大きく貢献できる唯一の商品と評価された。スバルは近く、スリーピーポッドのベルトを車の付属品として販売する予定。

 CPSは、ペット用品業界から資金や商品の提供を受けていない。車の安全に関する調査団体セーフティ・リサーチ&ストラテジーズのショーン・ケイン氏は、CPS調査を「良い基準になる」と評価した。特に大きな犬になるほど衝突試験の結果が良くない傾向にあるため、異なるサイズのダミーを使った点を重視している。

 ペット愛護団体バーク・バックル・アップ(Bark Buckle Up)によると、車内でしっかり固定されていないペットは、事故の時にミサイルのように飛び出し、ペット自身はもちろん同乗者にも危険を及ぼす可能性がある。

 全米自動車協会(AAA)の計算では、時速30マイルでの衝突でも、固定されていないと10ポンドの犬が約300ポンドの衝撃となる。国内のペットオーナーの約90%はペットととも移動しているが、車内でペットを固定する人は少なく、11年のAAA調査では「ペットをひざに乗せて運転している」という人が17%を占めた。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る