アルプスにもプラスチックごみ〜環境懸念、海から山へ拡大

 プラスチックごみによる海洋汚染はよく知られているが、山に囲まれた高地の湖にも大量のプラスチックごみがたまっていることが、ドイツの科学者グループによる最新調査で明らかになった。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、バイロイト大、ミュンヘン工科大などの科学者が、イタリア北部山岳地帯の観光地の1つガルダ湖の浜辺で堆積物を調べたところ、大量のプラスチック微粒子が含まれていた。

 顕微分光器で見ると、粒子の多くが元は消費者用品に使われた大きな粒子であることが分かったといい、調査報告書は「アルプスの湖でもプラスチック粒子の量は海洋と同水準に達している」と結論付けている。もっと小さな粒子には、最も有害な5種類のプラスチック・ポリマーの1つ、ポリ塩化ビニール(PVC)も含まれていた。

 湖で見つかったプラスチック粒子は、その大きさから淡水生物の多くが体内に取り込む恐れがある。

 2010年の別の調査では、北米五大湖の1つヒューロン湖で見つかったプラスチックの94%が、魚が餌と間違える可能性のあるペレット(球粒状のプラスチック)だったと報告されており、その2年後には、ニューヨーク州立大学フレドニア校の研究者が五大湖に驚くほど大量のプラスチックが含まれていることを発見している。

 カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所の調査では、太平洋北部で捕獲した魚141匹のうち、約9%の胃からプラスチックが見つかっており、現在は魚が食べたプラスチックが人間まで達しているかどうかの調査が進められている。

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