EV用電池、20年には半額に〜課題は電子管理システムの費用
- 2013年10月21日
- 自動車関連
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に使われるリチウムイオン電池の価格が下がり続けており、2020年までには現在のほぼ半額になる可能性がある。
ウォールストリート・ジャーナルによると、リチウムイオン電池製造大手LGケム傘下LGケム・パワーのプラバカール・パティル最高経営責任者(CEO)は、ミシガン州でこのほど開かれた電池技術関連の会合「バッテリーショー」で、「当社は20年までに少なくとも半額まで値を下げることを目指している。今の下がり方を見る限り、非常に楽観している」と話した。
自動車部品大手ジョンソン・コントロールズ傘下パワー・ソリューションズのブライアン・ケスラー社長も「バッテリーセル(電池の基幹部品)の価格は本当に半分になる可能性がある」と述べた。ただし、バッテリーを監視、管理する電子制御システムに業界の統一規格がなく、各自動車メーカーがそれぞれ別のシステムを使っているため、管理システムを含めたバッテリーパックのコストは劇的には下がらないと予想する。
バッテリーのコスト削減はEVの最大の課題だが、特に最近はテスラ・モーターズとGMが3万〜3万5000ドルという大衆的な価格で航続距離200マイルのEVを開発する意向を表明しており、実現にはバッテリーパックの大幅なコスト削減が必要になる。
自動車やバッテリーのメーカーはコストを公表していないが、アルゴンヌ国立研究所は、一般的に電力量1キロワット時(kWh)当たり約500ドルと推定する。これで計算すると、日産「リーフ」に搭載されている24kWhのバッテリーパックは約1万2000ドルになる。
現在「リーフ」の価格は2万8800ドルから、基本的にリーフと同じ技術を使った日産「ヴァーサ」は1万3990ドルからとなっている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想