EV用電池、20年には半額に〜課題は電子管理システムの費用

 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に使われるリチウムイオン電池の価格が下がり続けており、2020年までには現在のほぼ半額になる可能性がある。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、リチウムイオン電池製造大手LGケム傘下LGケム・パワーのプラバカール・パティル最高経営責任者(CEO)は、ミシガン州でこのほど開かれた電池技術関連の会合「バッテリーショー」で、「当社は20年までに少なくとも半額まで値を下げることを目指している。今の下がり方を見る限り、非常に楽観している」と話した。

 自動車部品大手ジョンソン・コントロールズ傘下パワー・ソリューションズのブライアン・ケスラー社長も「バッテリーセル(電池の基幹部品)の価格は本当に半分になる可能性がある」と述べた。ただし、バッテリーを監視、管理する電子制御システムに業界の統一規格がなく、各自動車メーカーがそれぞれ別のシステムを使っているため、管理システムを含めたバッテリーパックのコストは劇的には下がらないと予想する。

 バッテリーのコスト削減はEVの最大の課題だが、特に最近はテスラ・モーターズとGMが3万〜3万5000ドルという大衆的な価格で航続距離200マイルのEVを開発する意向を表明しており、実現にはバッテリーパックの大幅なコスト削減が必要になる。

 自動車やバッテリーのメーカーはコストを公表していないが、アルゴンヌ国立研究所は、一般的に電力量1キロワット時(kWh)当たり約500ドルと推定する。これで計算すると、日産「リーフ」に搭載されている24kWhのバッテリーパックは約1万2000ドルになる。

 現在「リーフ」の価格は2万8800ドルから、基本的にリーフと同じ技術を使った日産「ヴァーサ」は1万3990ドルからとなっている。

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