電力会社が生き残るための三つのモデル 〜 分散型太陽光発電への対処法
- 2013年10月21日
- 環境ビジネス
分散型太陽光発電(主に、一般世帯や産業施設の屋根上に取り付けられる太陽光発電システム)が急速に普及している昨今の動向を受け、電力会社はその変化への対応を迫られている。
グリーンテック・メディア誌によると、クリーン・パワー・ファイナンス(Clean Power Finance)のクリスチャン・ハネルト再生可能資本市場担当上級副社長は、最近開催されたオンライン・セミナーで、電力会社が分散型太陽光発電から利益を計上するための潜在的な三つの事業モデルを次のように説明した。
1)規制が行き届いていない地域で個人住宅の太陽光発電に投資する。それによって、新規顧客との関係を構築し、付加サービスを販売できるようになる可能性がある。
2)自社のサービス圏内で分散型太陽光発電の施設を保有し、その投資からの利得を得る。独立系の発電事業体から太陽光発電を購入し、利益を乗せて消費者に再販することができる。電力会社は大きな資本を投じず、消費者間の知名度や信頼感を生かして独立系事業体よりも効果的に再販できる可能性がある。
3)付加価値サービス・モデルの一環として太陽光発電のオプションを提供する。具体的には、太陽光電の販売を糸口として、電気自動車の充電所やスマート室温調節器といったほかの製品の市場を開拓することができる。
電力会社にとって分散型太陽光発電は、1990年代のIT企業にとってのインターネットと同様の意味を持つ可能性がある。基幹設備を独占的に保有して提供することができなくなるため、従来の事業モデルにとっては向かい風になるかもしれないが、市場で生き残るには避けて通ることのできない変化だ。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集