カリフォルニア州、フラッキング規制案を発表 〜 国内で最も厳しい内容

 カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は、シェール(けつ岩層)の資源採取で使われる最新の掘削技術「フラッキング」(水圧破砕法)に関する規制の草案を発表した。

 ロサンゼルス・タイムズによると、全米でも最も厳しい内容の同規制案では、フラッキングの実施前に州の許可を受け、地下水の水質検査を行い、実施する場所や方法を周辺住民に通告するよう定めている。

 州当局は大気や地下水を対象に環境影響調査を続けるほか、フラッキングに使われる化学剤の情報もインターネットで公開する。

 草案は今後、一連の公聴会を経て最終案が作成され、2015年1月から適用される。

 カリフォルニアの石油および天然ガス生産量は国内3位。フラッキングに関しては、飲み水を汚染し、公衆衛生を危険にさらし、温室効果ガス(GHG)を放出するといった懸念もある。

 そのため、環境保護派は、科学的に安全が証明されるまで州内のフラッキングや関連技術の使用を禁止すべきだと主張している。

 規制案は、中立的なフラッキング関連の科学調査実施を州に義務づけた州法成立を受けて提示された。

 その内容はおおむね歓迎されており、エンバイロンメンタル・ワーキング・グループは、「ざっと見たところ、良い項目もある」と話している。

 業界団体の西部石油協会(WSPA)も、「広範囲にわたるが、それらの規制は適切なバランスに基づいている」「それによってモンテレイ・シェールに眠る資源を責任ある形で開発できるようになる」と話した。

 同州のモンテレイ・シェールは石油産出量140億バレルが見込まれ、280万人の雇用を生み、州や自治体に総額250億ドルの税収をもたらすとも期待されている。

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