シリコンバレーの業界進出加速化〜デトロイトとの間に軋轢も
- 2013年12月12日
- 自動車関連
シリコンバレーのハイテク企業が過去5年間、自動車業界に目覚しい進出ぶりを遂げている。
オートモーティブ・ニュースによると、グーグルのアンドロイドOSを初採用したスマートフォン(多機能携帯電話)が登場したのは2008年10月だ。それ以降、今夏までには自動車に匹敵する10億台のアンドロイド端末が世界で利用されている。
ここで問題なのは、矢継ぎ早に新ソフトウェアを市場に投入するシリコンバレーと、慎重に段階を踏むアプローチで知られるデトロイト間の研究開発(R&D)のペースの違いだ。
その代表例として、ワイファイ(Wi-Fi)接続による車車間通信を可能にするコネクテッドカー技術が挙げられる。発想自体は新しくなく、議会は98年、5.9ギガヘルツの周波数帯を確保した。しかし、15年経過した今でも車車間通信はR&D段階で、商用化には少なくともあと数年を要する見通しだ。
業を煮やすシスコ・システムズなどハイテク大手は、議会や連邦通信委員会(FCC)に対して高速ワイファイ向けの周波数帯の開放を働き掛けている。一方の自動車メーカーは、高速化によって衝突回避システムなどに支障が生じる恐れがあるとして反対している。
20年までの商用化を目指す日産自動車をはじめ、メーカー各社は自動走行車の開発に注力しているが、完全な自動走行車の実現は「何年も先」(マイケル・ロビンソンGM副社長)になりそうだ。現時点では、車載コンピュータ技術の開発においてシリコンバレーがデトロイトをリードしている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行