インテル最新工場、当面は使われず〜総工費52億ドルで完成も

 インテルは14日、アリゾナ州チャンドラーに昨年末完成した大規模な最新半導体工場「ファブ42」(総工費52億ドル)について、当面は使わない予定であることを明らかにした。

 アリゾナ・リパブリックによると、ファブ42の建設計画は2011年、世界でも最先端の技術を導入して地域に1000人の雇用をもたらすと大々的に発表され、12年にはオバマ大統領も工事現場を訪れて米製造業拡張の重要性を訴える演説を行ったこともある。

 ところが、インテルの最新製品の生産は、新工場ではなくチャンドラーの既存工場で行われる予定で、従来の22ナノメートル(nm)のプロセスCPUと新しい14nmプロセスCPUを同じ施設で製造することによって生産効率が高まり、既存の施設に投じた資本や機械の使用効率も倍増できると同社は説明している。

 インテルの製品は商品としての周期が短いため、新しいテクノロジーと製造工程をほぼ並行して開発しなければならない。ジェイソン・バグリー最高経営責任者(CEO)はチャンドラー新工場の建設計画を発表した際、「これは経験に基づくギャンブル」と語っていた。

 新工場は将来の製品製造で使われる予定だが、具体的なめどはなく、新規採用の労働者は今のところ別の施設で働いている。計画の発表当時、チャンドラーでのインテルのフルタイム社員は約9700人だったが、現在は1万1900人。ティリアス・リサーチのアナリストは「生産能力が必要を上回ったという状況。過去にも不況の時期にそういうことがあったが、上昇期には珍しい」と話している。

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