オートグリッド、電力関連データで第三者開発を促進 〜 NTTデータも採用

 送電網関連データの分析サービスを手がける新興企業のオートグリッド(AutoGrid)は、電力会社や公益会社を顧客に取り込んでおり、好調な成長ぶりが注目されている。

 オートグリッドは、送電網関連のデータをクラウド上のソフトウェア・プラットフォームで処理し、予測、最適化、傾向分析といったサービスを提供している。処理対象のデータは構造化データと非構造化データの両方にわたり、ペタバイト級のリアルタイム処理能力を有している。

 同社は2011年に設立され、2012年に製品販売を開始した。現在、オースティン・エネルギーやオクラホマ・ガス&エレクトリック、パロ・アルト市といった公益事業体が顧客となっている。

 ギガOMによると、オートグリッドは先日、データ・プラットフォームを第三者開発業者に公開し、アプリケーション開発を促進する方針を明らかにした。

 それを受けて、NTTデータではオートグリッドの分析エンジンを採用し、商業建物所有者がエネルギー使用状況を把握するためのアプリケーションを開発している。第三者開発業者との協力および提携を通じてオートグリッドは成長を加速させられる可能性がある。

 オートグリッドはさらに、資金の追加調達にも成功した。第3ラウンドとなる資金調達によって、公益大手のエーオン(E.ON)や、既存投資家のファウンデーション・キャピタル(Foundation Capital)とボイジャー・キャピタル(Voyager Capital)から総額1275万ドルを調達している。

 オートグリッドの設立者兼最高経営責任者(CEO)のアミット・ナラヤン氏は、スタンフォード大学のスマート・グリッド・シミュレーション研究責任者を務めた人物。そのほか、パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)の技術革新責任者を務めたクリス・クナドセン氏が最高技術責任者として、またPG&Eの事業開発担当副社長を務めたアンドリュー・タング氏がオートグリッド経営陣に加わっている。

 送電網は、分散したスマート・システム網という点で、インターネットに似た様相を呈しつつある。利用者の使用傾向を把握して推奨品を提示するネットフリックスやアマゾンのような仕組みが、オートグリッドをはじめとする企業の技術によって実現すると期待される。

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