原油の禁輸政策を一部緩和〜米政府、英・伊向け認める

 米国産原油の欧州向け輸出を米政府が限定的に認め始めたことが、ロイター通信が情報公開法に基づいて5日までに入手した公文書で分かった。

 文書によると、商務省は2013年以降、英国向け輸出を2件、イタリア向け輸出を2件認可している。現在は、今年1月に申請されたドイツ向けの輸出権について審査中。

 米国は、1975年に導入した規制によって原油の輸出を原則として禁じており、カナダ向けや外国産原油の再輸出など一部の例外に関しては、商務省の産業安全保障局(BIS)が事例ごとに判断している。BISは13年1月以降、120件の輸出権を認可しており、約90%はカナダ向けが占める。

 英国向け輸出の認可が下りたのは00年以降初めてで、欧州向けとしては08年以降初めて。

 米国では新技術導入に伴いシェール・オイルと呼ばれる非従来型の原油生産量が大幅に増えたため、早ければ年内にも精油業界が飽和状態になるとの懸念があるが、輸出解禁には賛否両論があり、政府の動きは議論を一層加熱させる可能性がある。

 米国の産油量は25年ぶりの最高水準に達しており、外国市場に目を向ける生産業者の多くが「禁輸はアラブ発の石油ショックでガソリン価格が高騰した70年代の名残にすぎない」として、解禁を求めている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る