ソニーのパソコン撤退に続くのは誰か 〜 候補は東芝、サムスン、富士通
- 2014年2月6日
- ハイテク情報
ソニーがパソコン事業を売却することで交渉を進めていることは大きく報じられた。17年間続いた「バイオ(Vaio)」ブランドのパソコンは、西洋の小売業界から2014年末までに消える可能性もある。
ガーディアン紙によると、調査会社ガートナーの電子機器分野専門家ランジット・アットウォール氏は、パソコン業界の激震が今後も起こるだろうと話す。
同市場では現在、中国のレノボ(Lenovo)を筆頭に、ヒューレット・パッカード(HP)、デル(Dell)、台湾のエイサー(Acer)とエイスース(Asus)という5社が世界出荷台数の約60%を牛耳っている。アップル(Apple)の市場占有率は約5%。
アップルのパソコン利用者は、ほかのプラットフォームにあまり乗り換えないため、残る35%を上位5社以外で奪い合っている状況だ。
2011年に3億6100万台だった世界パソコン出荷台数は2013年に3億1500万台に減少し、その傾向は今後も続くと予想される。価格競争の激化や利益率低下といった逆風の強まりによって、アップルを除く6位以下のパソコン・ベンダーにとって苦しい事業環境はいっそう厳しくなるばかりだ。
上位5社のパソコン事業では、パソコン平均価格は2010年の614ドルから2013年に544ドルに下がり、1台あたり利益も15.71ドル(販売価格の2.6%)から14.87ドルに縮小した。
アップルの場合、平均価格は1230ドルで1台あたり利益は232ドル、パソコン事業の営業利益率は18%と、パソコン業界上位5社の平均の十数倍の1台あたり利益を維持している。
ベンダーによってその数字は大きく異なり、独自プラットフォームのアップルを除けば、1台あたりの利益ではエイスースが業界最高で、エイサーが最低水準とみられる。
アットウォール氏は、パソコン市場において、東芝とサムスン(Samsung)、ソニー、そして富士通を「底辺4社」と位置づける。それら4社は2013年の世界パソコン市場で合計12%の占有率しか握っていない。
「ソニー続いてパソコン機器事業にさよならを言うメーカーが今後出てくるだろう」とクリエイティブ・ストラテジーズのベン・バジャリン氏は予想する。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
トランプ氏の返り咲きに戦々恐々とする米技術大手ら 〜 対立関係の改善をねらってあいついで寄付
-
2025年1月20日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
半自動運転システムでドライバーの注意力低下
-
高級ブランドら、ビットコイン高騰を受けて暗号通貨での決済を受け付け 〜 暗号資産家市場の掘り起こしに舵を切る
-
2025年に予想される人材資源管理の5大変化 〜 補助業務から戦略業務へと進化
-
2025年に注目される7大技術動向 〜 画像加工技術会社のパーフェクトが予想
-
2025年1月15日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
車部品各社、生産計画見直し急ぐ~トランプの高関税政策に備え
-
2025年1月13日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
2025年に人々の暮らしや会社らに影響をあたえる技術 〜 ウォール・ストリート・ジャーナルが9つを特定
-
2025年1月9日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
電池用金属市場、厳しさ続くか~価格下落、すでに2年
-
歳末商戦期の世界オンライン消費額、3%の成長 〜 セールスフォースが調査結果を報告
-
2025年1月1日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
世界半導体業界の2025年の展望、全般的には明るい見通し 〜 世界情勢と人材確保が課題、KPMGが報告