日立アメリカ、EERCと開発提携 〜 バッケン・シェールのデータ分析で

 日立アメリカとエネルギー&環境リサーチ・センター(EERC=Energy & Environmental Research Center)は、バッケン・シェール油田の生産拡大に役立つ技術とサービス、そしてソリューションの開発をめぐって提携した。

 日立アメリカの発表資料によると、ノース・ダコタ州、モンタナ州、カナダのサスカチュワン州およびマニトバ州に広がるバッケン油田は、数千億バレルのシェール油を埋蔵するとみられる。

 ノース・ダコタ州だけでも6000近い油田と200基近い採掘プラットフォームがあり、こんにちまで膨大なデータが収集されてきた。分析ツールを使って、それのデータを評価することによって、埋蔵状況に合った採掘方法を見極めて生産性を高めることができると考えられる。データ分析を通じて、これまでに分かっていなかった相関関係が理解される可能性もある。

 ビジネスワイヤーによると、EERCは、過去数年にわたって、バッケンの生産性向上を目的とした複数の研究プロジェクトを行ってきた。その一方で、日立は、石油およびガス業界向けの分析データ・ツールの開発を手がけてきた。その経験とノウハウを融合することで、バッケンのシェール油景気をさらに促進して業界に利点をもたらすことができる、と2社は判断した。

 「バッケンには未解明の部分が多々ある。日立との提携を通じて、未解明部分に光を当て、次なる発見に寄与できると確信している」と、EERCのジョン・ハージュ研究担当副部長は話す。

 「日立は、顧客中心の研究モデルを重んじる。業界第一人者と協力することによって、難しい問題を理解し、当社の研究技術を応用して顧客の事業を変容させることができるだろう」「EERCとの協力は、シェール油およびガス生産分野のビッグ・データ分析において当社が有する強みを活かすものだ」「当社が追求するITプラスOT(オペレーション技術)の成功には、そうした協力が欠かせない」と、日立アメリカのビッグ・データ研究室担当副社長のウメシュワール・ダヤル博士は述べた。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

Universal Mobile
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  2. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  4. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  5. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  6. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  7. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  8. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
ページ上部へ戻る