アジアはソーラーの方が安く〜天然ガスなど化石燃料は需要低下へ

 アジアの多くの地域では、液化天然ガス(LNG)を燃料にする火力発電より太陽光発電の方が安上がりで、ソーラー発電は政府補助なしで化石燃料と競合することが可能という報告書を、調査会社サンフォード・C・バーンスタインがまとめた。

 ロイター通信によると、発展途上国では将来、ソーラーが石油、灯油、ディーゼル燃料、LNGと競合するようになり、石油や天然ガスの需要を浸食すると報告書は予想している。中東では石油消費が減少し、開発途上国の電力網が未発達の地域では灯油やディーゼルの需要が減って、アジア、米国、欧州ではガスの消費量が減るとも推測している。

 また、昼間の電力需要ピーク時のためにコストの高い発電所を建設する市場は崩壊し、消費者の多くは電池を使って蓄電を始める可能性があるという。

 5兆ドルの世界エネルギー市場で、ソーラー発電はまだ構成比がわずか0.17%(2012年)にとどまり、電力価格に影響を与えるほどではないが、ソーラー技術は普及とともに安くなる可能性がある一方、化石燃料の掘削コストは上昇を続けている。このため、10年以内にはソーラーが石油やガスの供給量のかなりの部分を奪い始め、化石燃料の価格が下がり始める可能性があり「世界的なエネルギーのデフレは避けられない」と予想される。

 また、石油やガスの生産者は、エネルギー価格の低下を予想して、安くなる前に急いで化石燃料を汲み上げようとする可能性もあるという。

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