旭硝子、新冷媒AMOLEAを開発

 旭硝子は、地球温暖化係数(GPW)を従来品の6分の1まで低減することができるエアコンシステム向けの冷媒AMOLEAを開発した。新冷媒はエアコンシステムおよび自動車向けに使用され、2016年にも量産を開始する。

 旭硝子によれば、AMOLEAの主要原料はヒドロフルオロオレフィン(HFO)1123。代替的な冷媒HFO-32の半分、従来のHFC-410のおよそ6分の1という非常に低いGPWの数値を持ち、従来の冷媒と同等の機能を果たす。新エネルギーと産業技術組織(the New Energy and Industrial Technology Organization:NEDO)のプロジェクトの一環としてAMOLEAを開発した。

 住宅と車両でのエアコンシステムの冷媒としてのHFCの使用は、非常に高いGWP数値になり、環境に多大な影響を与えるため、HFCの使用を制限する動きに出ている国もある。

 AMOLEAのGPW数値が、2013年1月にEUが導入したモバイル・エア・コンディショニング(MAC)ディレクティブの条件を満たすのかどうかは明確になっていない。EU MACは自動車メーカー各社が使用している1430ものGPW数値を持つHFC-134aから、150以下のGWP数値の冷媒に交換させることを意図した。

 現在、ハネウェルとデュポン共同開発によるHFO-1234yfがEUのガイドラインを満たしており、ハネウェルとデュポンは両社の冷媒が唯一の存在だと主張している。アルケマをはじめとする他の化学会社もEU基準を満たす冷媒を開発中だが、それが実現するまではハネウェルとデュポンが唯一のサプライヤーであり続けることになる。今年はじめ、ハネウェルは旭硝子がHFO-1234yfを製造、供給するための合意書を交わした。旭硝子は、同社の千葉工場内に、HFO技術を導入する新たな製造施設を建設、2015年半ばには出荷が開始されることになっている。

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