フィリップスの描く未来の住宅 〜 自動操作の調理器やコーヒー・メーカー
- 2014年4月14日
- 環境ビジネス
家電大手のフィリップス(Philips)は、「コネクテッド・ホーム」構想に向けた戦略を確立させつつある。そのなかには、自動機能を強化したコーヒー・メーカーや、明るさや色味を調節できる電球「ヒュー(Hue)」が含まれる。
ギガOM誌によると、フィリップスの描くコネクテッド・ホーム戦略には以下の三つの基本原則がある。
1)可能なことではなく、必要性のあることをする:単に技術的に可能だからやるというのではなく、本当に消費者が求めているものを見極めて開発する。
2)他社と協力する:「モノのインターネット」を実現するには、社内だけでなく提携先や消費者からの提案も不可欠。そこで、できるかぎりオープンの技術を利用していく。
3)デジタルとアナログの両方を視野に入れる:フィリップスは、物理的な製品を売る企業であり続けるのか、デジタル・サービスを提供する企業になろうとするのか。その答は、両方である可能性が高い。
フィリップスは、3月に開かれた「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」見本市で興味深い製品と概念を披露した。ヒューのAPI(application programming interface)を介して、ヒューを活かしたアプリケーションやサービスの開発者と協力する姿勢を積極的に示したのは、上記の戦略に沿った流れだ。
同社はまた、南米市場に投入予定の調理器も披露した。「ホームクッカー・ネクスト(HomeCooker neXt)」と呼ばれるその調理器は、スロー・クッカーのような見た目で、鍋と加熱装置を一体化したものだ。
その鍋に食材を入れるだけで、アプリケーションが個別の調理法に従って自動的に加熱したりかき混ぜたりして、30分以内に料理ができあがる。
さらに、フィリップスは、スマートフォンから操作して自動的に多種多様のコーヒーを淹れられるコーヒー・メーカーも開発している。将来的には、たとえば、スターバックスと提携して特定の豆とシロップを自宅に配達してもらい、それらを使って独自の調理法でコーヒーを作れるようになる可能性がある。同製品は2014年下半期に米国で発売される予定だ。
ほかには、室内空気質の検知器と空気清浄機の開発も検討している、と同社の生活様式技術革新戦略担当責任者アントニオ・ヒダルゴ氏は説明した。
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