AT&TとEDF、節水支援ツールを発表 〜 自社施設での実用をもとに開発

 AT&Tと環境防衛基金(EDF=Environmental Defense Fund)は、AT&Tの建物で行った水道効率化の研究成果を最善業務手法(ベスト・プラクティス)として発表した。

 AT&TとEDFは、過去2年かけてAT&Tの125棟の建物全体にわたる水道使用の効率化を模索してきた。

 グリーンビズ誌によると、両社は、その研究成果をツールキット「ウォーター・マネジメント・アプリケーション」、略して「ウォーターマップ(WaterMAPP)」にまとめ、ほかの企業が自社の状況を評価する際に使えるようにした。

 AT&Tと競合するベライゾンでは、「EDFクライメート・コア(Climate Corps)」という環境対応専門部隊を編成しており、ウォーターマップをそれに役立てようと考えている。

 「ウォーターマップの開発にあたっては、利用する側の役に立つようさまざまの配慮を施した」「オープンの資源(ツール)なので、自社の運営状況に合わせて調整することができる」と、EDFの企業提携担当責任者ナムリタ・カプール氏は話した。

 EDFとAT&Tは当面の目標として、水不足が慢性的な問題となっているダラスやデンバー、ヒューストン、ロサンゼルス、フェニックスの5都市圏にある建物に焦点を絞っている。

 ウォーターマップは、エクセルを使った無料ツールキット。現時点では「ウォーター・スコアカード」と「ウォーター・エフィシエンシー・カルキュレーター」の二つで構成される。

 前者は、各企業の水道使用状況や気象のデータに基づいて現在の実績を計算するもの、後者は特定の調整を行うとどういう結果が出るかを計算するものだ。調整内容には、冷却装置の変更や水の再生利用など各種の節水努力が含まれている。

 AT&Tによると、平均的な建物の水道使用の約28%が冷却用途に使用されている。同社はウォーターマップを使用して、最大の効果を生む投資が何かを見極めている。

 AT&TとEDFでは、米国内の大半の建物がウォーターマップの提案に基づいて最適化されたならば、年間280億ガロン、75万世帯の使用量に匹敵する量を節水できると見積もっている。

Universal Mobile

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  2. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  3. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  4. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  5. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  6. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  7. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  8. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
ページ上部へ戻る