夢の素材グラフェンの実用化に期待 〜 消費者電子機器を劇的に進化させる

 消費者電子製品業界の将来を担う素材として、グラフェンが注目されている。

 ニューヨーク・タイムズによると、 グラフェンは原子1個分の厚みしかない薄膜状の炭素で、現在知られている素材としては最も強くて非常に薄く、電気や熱の伝導性が高いうえ、曲げやすく透明で、しかも安いという非常に大きな利点がいくつもある。

 そのため、曲げられる小型装置や超充電量子コンピュータ、電子服、体内で細胞と交信できるコンピュータの開発につながると期待されている。

 グラフェンは10年前に発見され、2010年に英マンチェスター大学の物理学者二人が関連実験でノーベル賞を受賞したことで注目された。最近では、商業的な生産方法が研究されている。

 米化学会(ACS)によると、グラフェンは鉄鋼の200倍も強じんで非常に薄いため、1オンスあればフットボール競技場28個を覆うことができる。

 中国の研究班は、重さが空気の7分の1という超軽量素材グラフェン・エアロゲルを開発している。

 グラフェンのように透明で伝導性が高く、柔軟な素材は極めて少ない。コロンビア大学の研究者によると、シリコンは1%伸ばすと割れるが、グラフェンは20%伸ばしても電気を通す。

 既存の電子製品のほとんどは、グラフェンを使うことで一層速く、薄く、安くなると考えられる。また、グラフェンは液体内でも酸化しないため、水中に沈めて長期間使う電池や、体内に埋め込む機器の可能性も広がる。

 ノースウェスタン大学の研究班は、グラフェンとシリコンを組み合わせた電池を2011年に試作しており、15分の充電で1週間以上続けて使える携帯電話の開発につながる可能性も出てきた。

 また、ACSは「グラフェンの研究が進めばタッチスクリーンが進化し、紙のように薄く、折り畳んでポケットに入れられる携帯電話ができる可能性がある」と考えている。

 一方、マンチェスター大学では、ガス検知器やバイオ検知器、照明検知器をグラフェンによってさらに小型化する研究を進めている。

 かたや韓国サムスンの先進技術研究所はこのほど、「トランジスタ生産に使える良質のグラフェンをシリコン・ウエハー上で作る方法を発見した」と発表した。

 サムスンの発見は、柔軟なディスプレイや装着型端末といった次世代電子機器の生産が可能になることを意味し、エクストリーム・テックの記者はサムスンの技術が「グラフェン商業生産のための重大要素となる可能性がある」と伝えた。

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