メキシコ産ライムが足りない〜冬の大雨で、飲食店は悲鳴
- 2014年4月30日
- アメリカ発ニュース
メキシコ産ライムが不足し、価格が大幅に高騰して全米のバーやレストランが悲鳴を上げている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、米国で消費されるライムの97%はメキシコ産で、対米輸出量は年約50万トンに上るが、この冬はベラクルス州などの産地が大雨に見舞われて収穫が遅れている。このためライムの卸価格は40ポンド=100ドル超と例年の4倍、過去最高値を付けており、同じ重量だとメキシコ産原油より高くなっている。
ライムは「マルガリータ」などのカクテルの材料や「コロナ」ビールの添え物に欠かせないだけでなく、魚介のマリネ料理セビチェやワカモレといったメキシコ料理やタイ料理でも広く使われる。
サンフランシスコのメキシコ料理店チェーン「タコリシャス」では現在、マルガリータに使うライムの半分をレモンで代用して急場をしのいでいるが、それでも1ドルの値上げを余儀なくされている。ミズーリ州のレストラン「ランチョ・グランデ・キャンティーナ」も、今は客が言わない限りマルガリータやビールにライムを付けないようにして消費量を半分に抑えている。
一方、今を好機と見る企業もあり、蒸留酒大手ビームはライム風味のテキーラ「ホルニートス・ライム・ショット」の宣伝を強化している。
米国では、ライムを使う食文化を持った移民の増加や国民の好みの変化を受けてライム消費量が1996年以降に倍増し、1人当たり年間約2.6ポンドに上っているが、商業栽培量は減少している。かつて大規模生産が行われていたカリフォルニア州フラートンでは、今も個人で栽培している人がいるため「ライムを1袋持ってきた客にはカクテル1杯25セントで進呈」と宣伝するメキシコ料理店もあるが、持参したのは100人ほどで「大して助かっていない」という。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論