アップル、ヒップホップ界の大物に求愛 〜 ビーツに32億ドルでの買収案

 アップル(Apple)は、ビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics)を32億ドルで買収する交渉を進めている。

 ブルームバーグ誌によると、それが実現すれば、アップルにとって過去最大の企業買収となる。アップルは、小規模の技術企業を買収対象とすることで知られることから、32億ドルという今回の買収交渉はアップルにとって異例中の異例となる。

 ビーツは、ヒップホップ歌手のドクター・ドレイらが2008年に立ち上げた企業で、高級ヘッドフォン開発や音楽配信を手がけている。同社は、米高級ヘッドフォン市場で50%以上の占有率を占める。

 ビーツは2012年に音楽配信サービスのMOGを買収し、2014年1月には逐次再生サービスに進出した。

 アップルは、音楽逐次再生サービスのアイチューンズ・ラジオを昨年9月に開始させ、スポティファイ(Spotify)やユーチューブ(YouTube)、パンドラ(Pandora)といった競合社への対抗路線を鮮明化させた。

 しかし、アイチューンズ・ラジオは競合社に押され気味であるため、若い世代で人気が強まっているビーツを吸収することで、同市場での存在感を一気に強めようと狙っているとみられる。

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