無利子融資を部品製造業者へ〜エネルギー省
- 2014年5月23日
- 自動車関連
エネルギー省(DOE)は、効率的な自動車の開発の為に無利子で提供可能な資金がまだ160億ドルあり、主に部品のサプライヤーに利用して欲しいと呼びかけている。
調査会社のIHSによると、同省の融資は、2007年に国会で可決された先進技術自動車製造(ATVM)ローンプログラムの下に行われている。オバマ政権発足当時、同省はフォード、日産、テスラ、フィスカー・オートモーティブにプログラムを適用し、約84億ドルを融資した。
現在、アーネスト・モニズエネルギー長官の下、プログラムは材料の軽量化や高効率エンジン、低摩擦タイヤといった技術開発への資金投入を簡素化すべく、見直されているところだ。同氏は、米国自動車部品工業界(MEMA)へのスピーチの中で、プログラムの変更を発表。2011年3月以来ローン適用例はないが、このプログラムがまだ休止していないことを業者に伝える宣伝をDOEは始めている。
変更内容では、部品製造業者もプログラム対象となること、志願社へのより早い応対の約束、新しいオンラインアプリケーションポータルの作成を法的に明確化した。
プログラムの影響には善し悪しある。テスラは、モデルSセダンの電気自動車発売の為、4億6500万ドルのローンを2010年1月に受け取った。同車の成功はテスラに投資家を集め、昨年、約10年繰り上げてローンを返済した。一方、最新の事例で、5億2900万ドルを融資した、プラグイン・ハイブリッド車メーカーのフィスカー・オートモーティブは破綻した。同社はエネルギー省が資金投入を止めるまでに1億9200万ドルを使い果たし、政府がその内の5300万ドルを負担。中国の大手自動車パーツメーカー、万向集団による買収によって清算した。
ATVMプログラムは、環境及び労働グループの強力なバックアップにより2007年に発足。環境問題研究者はプログラムをよりクリーンな自動車を走らせる為の方法と考え、労働グループは米国産業への投資を促す策と捉えている。250億ドルが当局に当てられている。ローンを受け取るには、企業は2005年に製造した車種より25%効率的な同車種の製造に貢献する必要があるが、この基準を満たさない自動車の部品製作でも検討の余地はあり、当該部品に見合った融資金額が算定される。
自然資源防衛協議会(NRDC)交通プログラムのディレクター、ロランド・ファン氏は、環境保護派は部品業者が受け取った資金を効率的な自動車ではなく、よりパワフルな自動車の為のパーツ作りに使うのではと懸念していたが、今では厳格化した低燃費基準があり、その懸念は払拭されたと話し、エネルギー省のプランを賞賛している。「我々は、部品業者に対する低燃費新基準の重圧を認識している。彼らはその為の部品への需要増加で、工場能力がネックとなる状況に直面している。彼らに焦点を当てることが、このプログラムを効果的にする」と述べた。
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