発電施設の炭素排出量を2030年までに30%削減 〜 EPAの野心的対策

 米国環境保護庁(EPA)は、米国の政策としてこれまででもっとも積極的かつ野心的な気候変動対策を2日に打ち出した。EPAは、発電施設からの二酸化炭素排出量を2030年までに30%削減することを提案している。

 ギガOM誌によると、同計画の実施には長い時間がかかり、その過程では石炭火力発電施設の所有企業から多くの反対が上がるのも必至だが、その一方で、環境技術業界にとって大きな前進の一歩となる可能性も期待される。

 米国には石炭火力発電所が600ヵ所近くあり、総発電力の39%を占める。EPAの目標を達成するには、それを天然ガス火力や太陽、風力に切り替えていく必要がある。

 EPAの政策は、目標達成のための具体策を州政府に委ねている。その点は、発電事業よりもむしろ電力使用効率化の分野に追い風をもたらすかもしれない。

 その主因は、州政府が石炭火力発電所を即座に閉鎖して新しい発電所を建設するのは難しく、したがって、電力の大口消費者である建物を効率化するといった方策による二酸化炭素排出量削減のほうが比較的達成しやすいためだ。

 また、カリフォルニア州で2012年に導入された制度に似たキャップ&トレード制度の導入も進む可能性がある。

 EPAのジーナ・マッカーシー長官は、計画発表に際して「起業家や投資家にさらなる選択肢をもたらす」「民間の投資家がクリーン・エネルギー革命へと飛び込み、一つや二つの方向ではなくあらゆる方向へと導いていくだろう。膨大な機会が待っている」と述べた。

 ネスト・ラブズやソーラーシティーをはじめクリーン・エネルギー関連企業への投資を手がけるジェネレーション・インベストメント・マネジメント(Generation Investment Management)のコリン・リュドゥック氏は、「同計画の導入には時間がかかり、既存業界から強い反発もあるだろう。しかし、最終的には実践され、クリーンなソリューションの分野で既存市場以上の市場が形成されるだろう」と述べた。

 EPAが打ち出した計画は、米国が国際的な二酸化炭素排出量削減目標を達成するうえでも効果を持つと期待される。「国際的な気候変動の協議において、米国は今までよりも大きな信用を得て交渉に臨めるようになる」とリュドゥック氏は語っている。

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