ランディス+ギア、グリディアントを買収へ 〜 配電網のモデル化技術を統合へ

 東芝傘下のランディス+ギア(Landis+Gyr)は、配電網のモデル化および分析技術を開発する新興企業グリディアント(GRIDiant)を買収すると発表した。買収額は非公開。

 両社は、過去数年にわたる業務提携と共同開発の深い取引関係にある。

 グリーンテック・メディアによると、ランディス+ギアはグリディアントを吸収することで、送電網接続技術を高度メーター基幹設備(AMI)や配電網管理、分散型発電、蓄電管理プラットフォームに統合していく計画だ。

 シリコン・バレーを拠点とするグリディアントは、オプティマル・テクノロジーズの社名で2000年に設立され、2007年にゴールドマン・サックスから2500万ドルを調達したが、2010年に組織を解消して主要技術をグリディアントに移行した。

 ランディス+ギア米国法人のプラサンナ・ベンカテサン上席副社長は、「オプティマルのころから業界最高の接続モデルを有していることを当社は認めていた」「この技術は、当社のデータ・プラットフォームを最適化する次なるステップとなるだろう」と述べた。

 高度配電管理システムを提供するシーメンスやゼネラル・エレクトリック(GE)、アルストム、ABB、シュナイダー・エレクトリックは、送電網の低圧部分に、よりリアルタイムの可視性と制御能力をもたらすべく開発を進めている。

 そのために必要とされる高度の数学モデルやアルゴリズムが、グリッドクアント(Gridquant)を含む新興企業やエネルギー省のARPA-E(Advanced Research Projects Agency-Energy)を通じた研究努力によって開発されつつある。

 グリディアントは、「初の真のリアルタイム、ノンリニア、多目的の最適化およびリソース・ランキング・エンジン」を開発したとうたっている。

 同社の中核技術は、設立者兼最高技術責任者のソーリャ・クルアー氏が開発した数学モデルだ。公益会社の送電網データにAMIデータを含むほかのデータを追加して、実際の状況にきわめて近い電流モデルの構築を可能にした。

 大型の送電網にはその種のモデルがすでに使われているが、配電網についてはモデルの定義がそれほど進んでいない。

 グリディアントのソフトウェアは、サザン・カリフォルニア・エディソンやシリコン・バレー・パワー、パシフィック・ガス&エレクトリック、サクラメント市公益局、カリフォルニア州エネルギー委員会に採用されている。

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