ランディス+ギア、グリディアントを買収へ 〜 配電網のモデル化技術を統合へ
- 2014年6月23日
- 環境ビジネス
東芝傘下のランディス+ギア(Landis+Gyr)は、配電網のモデル化および分析技術を開発する新興企業グリディアント(GRIDiant)を買収すると発表した。買収額は非公開。
両社は、過去数年にわたる業務提携と共同開発の深い取引関係にある。
グリーンテック・メディアによると、ランディス+ギアはグリディアントを吸収することで、送電網接続技術を高度メーター基幹設備(AMI)や配電網管理、分散型発電、蓄電管理プラットフォームに統合していく計画だ。
シリコン・バレーを拠点とするグリディアントは、オプティマル・テクノロジーズの社名で2000年に設立され、2007年にゴールドマン・サックスから2500万ドルを調達したが、2010年に組織を解消して主要技術をグリディアントに移行した。
ランディス+ギア米国法人のプラサンナ・ベンカテサン上席副社長は、「オプティマルのころから業界最高の接続モデルを有していることを当社は認めていた」「この技術は、当社のデータ・プラットフォームを最適化する次なるステップとなるだろう」と述べた。
高度配電管理システムを提供するシーメンスやゼネラル・エレクトリック(GE)、アルストム、ABB、シュナイダー・エレクトリックは、送電網の低圧部分に、よりリアルタイムの可視性と制御能力をもたらすべく開発を進めている。
そのために必要とされる高度の数学モデルやアルゴリズムが、グリッドクアント(Gridquant)を含む新興企業やエネルギー省のARPA-E(Advanced Research Projects Agency-Energy)を通じた研究努力によって開発されつつある。
グリディアントは、「初の真のリアルタイム、ノンリニア、多目的の最適化およびリソース・ランキング・エンジン」を開発したとうたっている。
同社の中核技術は、設立者兼最高技術責任者のソーリャ・クルアー氏が開発した数学モデルだ。公益会社の送電網データにAMIデータを含むほかのデータを追加して、実際の状況にきわめて近い電流モデルの構築を可能にした。
大型の送電網にはその種のモデルがすでに使われているが、配電網についてはモデルの定義がそれほど進んでいない。
グリディアントのソフトウェアは、サザン・カリフォルニア・エディソンやシリコン・バレー・パワー、パシフィック・ガス&エレクトリック、サクラメント市公益局、カリフォルニア州エネルギー委員会に採用されている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ
-
米国特許商標庁、出願者らの個人住所流出が再発 〜「不注意」が原因、影響を受けた人たちに通知