住宅配線が不要の太陽光発電フィーダー 〜 新興企業インフィニットが開発
- 2014年6月23日
- 環境ビジネス
バージニア州の新興企業インフィニット・インベンション(Infinite Invention)は、屋根上ソーラー・パネルの設置コストを下げると同時に発電量の制御能力を電力会社にもたらす可能性のある装置を開発した。
ギガOM誌によると、「コネクトDER(distributed energy resources)」と呼ばれる同装置は開発初期段階ではあるものの、設置コストを大幅に削減できる可能性から、米エネルギー省の「サンショット」制度を通じて2回にわたって計84万1000ドルの開発補助金を獲得している。
同装置は、電力メーターとほぼ同じ大きさの円柱型で、メーターとその筐体のあいだに取り着けられる。それによって、ソーラー・パネルのインバーターと住宅のあいだをつなぐ配線を排除できる。その代わりに、同装置に配線を回して、太陽光発電システムをメーターの筐体にフィードできるようにする。
インフィニットの製品部長ジョン・クナウア氏によると、ソーラー・パネルと住宅をつなぐ配線を排除することで、パネル設置コストを最低でも500ドル前後、高ければ数千ドル節約できるようになる。
コネクトDERは1台につき10キロワットまでの発電容量に対応できる。
同社は5月に、フロリダ州のオーランド市公益委員会、およびメリーランド州のペプコ(Pepco)とのあいだで二つの試験運用プロジェクトを開始した。オーランドでは、公益委員会が所有する5軒の住宅に同装置を設置し、ペプコのプロジェクトでは10軒を対象としている。いずれも2015年5月まで試験運用を続ける計画だ。
同社はまた、バーモント州のグリーン・マウンテン・パワーとも協議を進めている。
インフィニットは、現行機種より高位装置の開発に着手しており、ソーラー・パネルの発電量を監視および制御する機能を追加する計画だ。携帯電話通信機能を搭載してコネクトDERがインバーターとで通信できるようにし、インバーターが発電量を制御する。
個人住宅のソーラー・パネルが増えるにつれ、その発電量の制御は重要性が増しているが、現時点で公益会社にその能力はない。ほとんどの州が、公益会社による自社保有以外のソーラー・パネルの発電量制御を禁じる規制を設けているためだ。この種の能力を電力会社に許可するのは、強い反発を招くことが予想される。
インフィニットでは、コネクトDERの高位機種を2015年第1四半期中に投入する計画だ。
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