米国シャープ、新型の蓄電装置を発表 〜 3年以内に50MW規模での設置へ

 シャープの米国子会社シャープ・エレクトロニクス(Sharp Electronics)は、スマートストレージ(SmartStorage)と呼ばれる新たな蓄電ソリューションを発表した。

 グリーンテック・メディア誌によると、リチウムイオン電池とパワー・エレクトロニクスを使用したスマートストレージは、商業および産業顧客を対象とした蓄電装置で、カリフォルニア州ですでに販売されており、米国内のほかの市場に向けて2014年末までに順次出荷される見通し。

 シャープはパワー・エレクトロニクスをテキサス州のアイディアル・パワー(Ideal Power)から調達している。リチウムイオン電池の供給元は明らかにされていない。

 シャープでは、向こう3年以内に50メガワット以上の設置を目指している。同計画には、太陽光発電システムと連動しない設置例も含まれるが、シャープは2013年に、1.6ギガワット相当の太陽電池モジュールを販売した世界市場占有率6位の大手でもあることから、太陽光発電と蓄電の併用に注力する方針だとみられる。

 サンディエゴで進行中の試験運用では、シャープは、30キロワットと40キロワット時のスマートストレージを使って、60キロワットの屋根上ソーラー・アレイを補完している。

 シャープは、現場サーバーとクラウド・サーバーをソフトウェアで更新して太陽光発電管理に対応することを、10年間のサービス契約に盛り込んでいる。

 カリフォルニア州は、セルフ・ジェネレーション・インセンティブ・プログラム(自家発電奨励策)という制度を通じて、現場蓄電設備を促進する魅力的な奨励策を提供している。

 カリフォルニア州議会では、2019年までに総額4億1500万ドルをそれに投じる予算も承認したばかり。同制度の応募事例の過半数は現在、太陽光発電と連動する蓄電設備で占められる。

 シャープでは、スマートストレージの価格および融資方法の詳細を明らかにしていない。シャープの幹部は、「顧客が必要とする場合」に融資を提供すると説明。

 先行投資の必要ないリース方式を提供するステム(Stem)やグリーン・チャージ・ネットワークス(Green Charge Networks)といった新興企業と競合するかどうかも現時点では不明だ。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
  2. 2024年6月14日、ニナが通うUCの卒業式が開催された。ニナは高校の頃の友人数名との旅行...
  3. ラブラドール半島のベルアイル海峡沿岸に位置するレッドベイには、16世紀に繁栄したバスク人による捕鯨...
  4. フェムケアの最新事情 Femcare(フェムケア)とは「Feminine」と「Car...
  5. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  6. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  7. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  8. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
ページ上部へ戻る