シーメンス、需要反応アグリゲーターと提携 〜 米国で初の大規模導入へ
- 2014年8月11日
- 環境ビジネス
シーメンス(Siemens)は、需要反応(DR)管理システムを米国市場で大規模に導入するために、ダイレクト・エネルギー(Direct Energy)と提携した。
ダイレクト・エネルギーはイギリスのエネルギー大手セントリカ(Centrica)の子会社で、米国内に600万件ほどの個人および企業顧客を有し、需要反応アグリゲーション・サービスを提供している。
グリーンテック・メディアによると、シーメンスは今回の提携を通じて、自社の需要反応管理システムをアグリゲーション市場で初めて使用する。顧客に到達する送電網に対し公益会社が直接的なコントロールを持たずに需要反応サービスを導入するのも、それが初の例となる。
ダイレクト・エネルギーは、これまでにハネウェルやオーパワーと提携して住宅用需要反応サービスを提供してきた。しかし、今回の提携では、商業および産業顧客が主な焦点となる。
ダイレクト・エネルギーは、昨年のヘス・エネルギー(Hess Energy)買収を通じて商業および産業顧客の多くを取得した。PJM、ISO-NE、ERCOT、NYISOといった送電網運営会社のサービス圏内に2万3600件の商業および産業顧客を有しており、需要反応アグリゲーターとしては最大級となる。
シーメンスは、これまでに米国とカナダの比較的小規模な公益会社を通じて需要反応管理システムを導入してきた。また、より大規模の民間電力会社や送電網運営会社との協力も進めている。
しかし、ダイレクト・エネルギーとの協力では、システム内の建物ごとにエネルギー・メーター・データを確認できるようにするなど、中核技術に変更を加える必要があった。
「電力小売会社は、必ずしも電力会社のようにメーターへのアクセスを有していないが、顧客ごとのサブメーターをすでに導入済みだ」「われわれは、それらのサブメーターを統合して、需要反応の実行中にリアルタイムに近いデータを示す計画だ」と、シーメンス・スマート・グリッドのサチン・グプタ需要反応製品部長は説明した。
需要反応アグリゲーター市場には、エネルNOC(EnerNOC)、コンステレーション・エネルギー(Constellation Energy)、コムヴァージ(Comverge)、NRGエネルギーといった競合社がある。
コンステレーションは2011年にCパワー(CPower)の買収を通じて、またNRGは昨年、エネルギー・カーテイルメント・スペシャリスツ(Energy Curtailment Specialists)の買収を通じて、商業および産業顧客を拡大している。
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